不老・不労社会はホントにやってくる?(後編)

一方、我が国のスパコン開発を取り巻く状況は厳しい。収支面の厳しさから開発を担ってきた会社が相次ぎ撤退し、昨年6月の世界のスパコンの計算速度を競う「TOP500」で、「京」がかろうじて5位に入った。(ちなみに1位は、米国留学組などが中心となり開発された中国純国産の「太湖之光」、2位も中国で、3、4位はアメリカ。1位の太湖之光は京よりも10倍速い)。

国は今後も、1000億円以上投じて、富士通(富士通も撤退したかったが慰留されたとも言われているようだ)を中心に、京の速度を大幅に向上させようと目論むが、先行きは厳しいとの見方も多い。

 

そんななか、斎藤元章氏は今年6月のTOP500で、米国超えの3位を目指しているようだ(まずは3位でいいんです!)。

そして、2019年くらいまでに京の100倍の高速計算ができるスパコンの開発を目指す。ただ、それには500億円が要る。しかし、考えようによっては、京の開発費の半分以下だ。「半分でできます。なんとかならないものですかね」とつぶやいていた。

 

なお、元章氏の、このスパコンが登場すると、海水3リットルで、人間一人が1年間に使う電気を生み出すことができる「核融合発電所」も現実味を帯びてくる。

 

電気がただ同然になれば、電気代が原因で赤字体質の植物工場もうまくいく。植物工場は12毛作が可能なので、食糧問題は解決する。

また、やがては植物工場での作業を含むすべての仕事をAIとロボットが行うことになる。不労だ。

 

また、膨大な患者のデータを解析することで、ガンも薬で治るようになる。さらに、「アメリカでは、(見た目が)子供のまま20年間生きた人がいます。アメリカは土葬なので、まだその人の遺伝子は墓の下にあります。スパコンの速度が大幅に高まったのちに、その遺伝子を解析すれば、われわれの遺伝子もその方と同じように変えることが可能になります。そうすればわれわれの成長を止めることができるようになります」

不老だ。ちなみに、不老にもズバ抜けた関心を持っているという元章氏はこの方の墓に行ったことがあるそうだ。

 

大西リポート2月10日号に、「斉藤にノーベル賞候補の声まで出てくる」とあるが、ここまで行けば、ノーベル賞も夢ではない。ノーベル賞の晩さん会で、メードin新潟のカラトリーが使われているのは有名な話だが、その晩さん会に出席する元章氏を見たいものだ。

                                                     

ちなみに斉藤元章氏は、医療ビッグデータ構想を打ち出した米山隆一県知事(東大医学部出身の医師であり弁護士)と同級生。スパコンは高価で、莫大な電気(中にはスパコンの隣に発電所があるところも)を消費することから資金的なハードルがあるが、いずれ、この新潟から、薬でガンが治る時代を目指していくのかもしれない。 

 

なお、スパコンで世界がどう変わるのかについて興味がある方は、斎藤元章氏の著書「エクサスケールの衝撃」をご覧あれ!

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