【聖地巡礼】日台合作ラブストーリー、映画「青春18×2 君へと続く道」ロケ地・福島県只見町へ、ローカル線に伴走する絶景ドライブ旅
藤井道人監督初の国際プロジェクトとなる日台合作映画『青春18×2 君へと続く道』が2024年5月に劇場公開する。本作で描かれるのは、日本と台湾、18年前と現在を舞台に、日台と年月を超えて初恋の記憶をたどる旅。18年前の台湾からはじまった、切なくも美しいラブストーリーだ。
主人公のジミー役は、2023年の主演作で台湾最大の映画賞“金馬賞”の主演男優賞にノミネートされ、アジア圏でいま最も注目を集めているシュー・グァンハン。もう1人の主人公・アミ役を、2021年のNHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で主人公の百音を演じた若手実力派俳優の清原果耶が務める。
旅の途中でジミーが出会う18歳の青年役に道枝駿佑(なにわ男子)。新潟県長岡市で出会うアルバイト店員を黒木華が演じる。
本作のみどころのひとつが、日本と台湾の美しい情景だ。今回はジミーがアミへの想いとともに乗り継いだローカル線と並走しながら、アミの故郷である只見町へ向かうドライブルートと町の魅力を紹介する。
新潟市から福島県只見町まで車で約2時間半
新潟中央インターから只見町中心部までは、およそ150キロメートルの道のり。新潟県から只見町へのドライブといえば、魚沼市から抜ける六十里越だが、今回のコースも六十里越に劣らぬ景観が楽しめる。
高速道路の利用は会津坂下ICまで。料金所を過ぎて国道252号をまっすぐ只見町方面へ向かった先に、道の駅「尾瀬街道みしま宿」がある。
みしま宿から遊歩道を約15分歩くと、絶景に出会える。
三島町を過ぎて珍しい温泉のある町、金山町へ。日本では数か所しか存在しない天然炭酸温泉の大黒湯と、近隣施設に源泉を分け与えるほどの湧出量を誇る玉梨温泉は特におすすめ。
さらに、なんと天然炭酸水が湧き出ている井戸が存在する。
飲んでみると、ほのかに炭酸を感じる。なめらかで雑味のないやわらかな飲み口に驚く。
トンネルやスノーシェッドを抜け、只見川とJR只見線を眺めながらひたすら一本道を進むと、只見駅を示す道路案内標識の青看板が見えてくる。
只見町に到着、いざ街歩きへ
まずはドライブで固まった身体を伸ばし、小腹を満たしたいところ。
駐車場は、只見駅前にある無料駐車場と只見線広場の無料駐車場が利用可能。
マトンが有名な只見町。只見駅から徒歩20秒の場所にある「味付マトンケバブカフェ シーズン2」では、味付けされたマトンをキャベツと一緒にピタパンで挟んだ「味付けマトンケバブ」が味わえる。
カフェでは他にもマトン丼や田子倉ダムカレー、スイーツ等も。
縁結びのパワースポット「三石神社」へGO
三石神社は、全国でも珍しい大きな岩を御神体としてまつる神社。縁結びの神様として有名だ。参道には三石の名前の由来となる3つの大きな岩があり、それぞれにいわれがあるという。
参道入口となる鳥居まではJR只見駅の裏山に続く遊歩道を只見スキー場方向に進む。
※只見駅裏手すぐにあるのは滝神社なので注意。
鳥居をくぐり、6分ほど歩いたところにある三石清水は、只見町銘水10選にも選ばれている。
一の岩では、大きな岩穴に頭を入れてお祈りすると、頭が良くなり、頭の病気が治ると言われている。
夏の日照りの時にも涸れずに岩から水がしみ出す二の岩は、泪岩と呼ばれ、その水を目につけると目の病気が治ると言われている。
小さな穴(孔)がたくさん開いている三の岩。この穴に”こより”を通した5円玉を結んで奉納すると、縁が結ばれるという。ちなみに、”こより”は只見町インフォメーションセンター(只見線広場)で無料配布中。
鳥居から三の岩までは約15分の登山道。スニーカーなどの歩きやすい格好がおすすめ。
フォアグラ丼をいただく
三石神社への参拝後、ランチにおすすめなのがガレット・エ・ポムポム。只見駅から車で7分程度の場所にあるこのお店の名物はフォアグラ丼。
地域の食材を使用したアイスクリームと自家製のワッフルコーンも絶品。お土産には、厳選された無添加生クルミを使ったお菓子「あとひき胡桃」がおすすめ。
町民から愛される町のお菓子屋
ガレット・エ・ポムポムから只見駅へ戻る道の途中にある三石屋は、1953年創業の老舗のお菓子屋。地元の素材を使い、無添加で子どもやお年寄りでも安心して食べられるものを日々手作り。ケーキやプリンなどの洋菓子からまんじゅう、パン、夏季限定でシェイクなど幅広く取り扱う。特にそぼろパンは、地元の方々からも絶大な人気を誇る。
電動サイクルでの街歩きもできる
只見駅では電動サイクルの貸し出しをしている。
半日1,000円/台、1日2,000円/台でレンタルできる。特に電動アシスト自転車は、疲れずに長い距離を走れるのが嬉しい。
レンタサイクルは、只見駅前のインフォメーションセンターで受付。
只見町の街ガチャが登場!
街ガチャは、地域の観光名所や名物などをモチーフにしたガチャガチャのこと。地元の名物などをキーホルダーにしてカプセルに入れた、いわば“ご当地カプセルトイ”。1回の料金は300円、駅周辺ではインフォメーションセンターに設置されているほか、町内7箇所に設置(※詳しいことは関連リンクへ)。
新潟県長岡市生誕の幕末の偉人 河井継之助の生涯を紹介する「河井継之助記念館」
ドライブルートの最後は、越後長岡藩軍事総督である河井継之助の記念館へ。
継之助は戊辰戦争で奮戦するも、長岡城が陥落し会津へ向かう。その途中にある峠「八十里越」を通り、会津領である只見町に到着するも、容態が悪化し只見町塩沢で41年間の生涯に幕をおろした。没地である只見町では継之助の墓と立派な記念館が建てられている。一説には、峠が険しく八里の距離が平地の八十里に等しく「八十里越」と呼ばれるようになったと言われている。
館内には継之助に関する資料が多数展示されているほか、戊辰戦争で継之助自ら操ったと言われる有名なガトリング砲(復元)も展示。
新潟から意外と近い只見町
今回は、映画「青春18×2 君へと続く道」のロケ地である只見町の魅力の一部をお届けした。1986年に事業化された国道289号まぼろしの街道「八十里越」が、2026年~2027年に開通予定となったことで、さらに只見町へのアクセスが便利になり、只見町が身近な観光ルートになると予想される。
なお、冬期通行止めになるが、魚沼市から国道252号雪割り街道「六十里越」を通り、只見町に行くルートがある。そちらは、山々と田子倉湖などが織りなす雄大な景色を眺められるとして、人気の観光ルートとなっている。
新潟市から日帰り旅行を楽しめる只見町。映画の公開を機に一度訪れてみてはいかがだろうか。
【関連リンク】
只見町公式HP
只見町インフォメーションセンターHP (観光情報やお問合せはこちらへ)
只見町の魅力を発信するご当地ガチャ「街ガチャin只見町」の販売開始について
映画『青春18×2 君へと続く道』公式サイト
(画像提供 只見町役場)
(取材・文 井高あゆみ)