【水中の庭師】 アクアリウム水槽のレンタルとメンテナンスで、癒しの空間を作り出す(新潟県長岡市)<再掲載>

水槽の中をクラゲがゆったりと泳ぐ

直近の特集記事を日曜日に再掲載します(編集部)

初回掲載:2024年4月2日


ゆったりと優雅に泳ぐクラゲ。水槽内をのんびりと動く様子は、日々の忙しさや煩わしさを一時的に忘れさせ、飽きることなくいつまでも見続けることができる。新潟県長岡市末広に拠点を置くアクア工房宇宙(そら)による作品である。

長岡市のみならず、同社は見附市、三条市、小千谷市、十日町市、魚沼市などの中越地方のクリニックや福祉施設などに、アクアリウム水槽のレンタルとメンテナンスを専門に行っている専門業者である。

趣味のアクアリウムが昂じて事業を始めた岩崎英徳代表

同社の岩崎英徳代表(51歳)は、元々、富山県南砺市の出身。今でこそアクアリウムの仕事をしているが、前職はコンピューターソフトのメーカーで17年間勤務していた。現在住所のある新潟県長岡市へは当初、転勤先として移住してきた。

サラリーマンとしての日々を送っていた岩崎代表だったが、あるときから、「このままずっと会社にいて良いのだろうか」と、将来に不安を覚えるようになった。「このままでは二人の子どもを大学へ行かせてやれないのではないだろうか」と、ふとそんな想いが頭をよぎる。そこで、元々魚が好きで、かねてより趣味として親しんでいたアクアリウムで起業しようと一念発起。2017年の終わり頃から今の仕事を始めた。そこには、「自分自身の手で綺麗な水槽を作ってみたい」という期待もあったという。もともと、魚そのものを扱うことが好きでこの業界に足を踏み入れる人たちも多いという中で、岩崎代表自身は、自分自身を「水槽全体のレイアウトに凝るタイプかもしれない」と分析する。

当初は、本部とフランチャイズ契約をした一店舗としてのスタートだった。その後、独自ブランドとして独立。現在は、水槽のメンテナンスを中心に、忙しい日々を送っている。

一言で、水槽のメンテナンスといっても、その世界はなかなか奥深い。まず、水槽を綺麗な状態に維持すること自体が難しいのである。例えば、放っておけば直ぐに水槽に藻が生えたりなどもする。そこで、水槽の美しさを如何に維持していくか、ということがこの仕事の醍醐味となる。

水槽に入れる水の水質によって、水槽内の環境は変わる。だから、水質に合う水草を使ってレイアウトを組み立てる。そして、最終的に向き合わなければならないのは、水槽の中に入る魚などの生物である。生き物相手なので、いつも思い通りにいくとは限らない。岩崎代表によれば、事業を始めた当初は、思うようにいかないことの方が多かったという。それが、7年間やり続け、ようやくわかってくることも増えたという。最近では、「水槽の環境によってどの魚を育てたらよいか」ということも、ある程度感覚がつかめてきた。

水槽内に何を入れるかということがとても大切

「水の流れを変えることで、魚たちも活き活きと泳ぐようになる」と語る。今では毎日、他人や自分の水槽を見ながら水槽の状態を観察し、それぞれの水槽内の問題点を少しずつ修正しているという。岩崎代表にとってはまさに、このことが日々の原動力に繋がっていくという。

整えられた水槽は見るものに感動を与える

アクアリウムの最近の傾向としては、人工海水を使ったクラゲの水槽の需要が高いという。設置にかかる費用もリーズナブルなうえ、水槽の中をゆったりと泳ぐクラゲの姿は、見ている人々にも、日常とは違うゆったりとした世界を感じさせるのだという。加えて、水替えは一週間に一度で良いという手軽さも、人気の秘訣のようである。アクアリウムでも、中に泳いでいる生物がいるのといないのでは、水の流れや雰囲気もだいぶ異なる。将来的には、「現在扱っているものより一回りも二回りも大きな、クラゲの水槽の設置を増やしていきたい」と語る。そのためにも、一人仕事だけでは限界がある。「今後は、もう少し依頼の件数を増やし、一緒に仕事のできる仲間を増やしていきたい」と目標を語った。

アクア工房宇宙(そら)Webサイト https://www.aqua-sora.com/

 

(文・一部写真 湯本泰隆 水槽の写真はアクア工房宇宙より提供)

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