【6年ぶり100件超】2023年度の新潟県内の企業倒産件数は前年から25件増加 東京商工リサーチ発表
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は4月2日、2023年度(4月から3月)の新潟県の企業倒産状況(負債総額1,000万円以上)を公表した。それによると、県内の倒産件数は101件で、6年ぶりに100件を超えた。
倒産件数は、前年度比32.89%増(25件増)となり、年度としては1962年の集計開始以来62年間で48番目、平成以降の35年間では26番目の件数となった。
負債総額は206億5,300万円で、前年度比1.93%増(3億9,300万円増)。過去62年間では39番目、平成以降の35年間では25番目となった。
産業別では、10産業のうち、「製造業」が24件で最多となり、次いで「サービス業他」が23件、「建設業」が19件、「小売業」が16件、「卸売業」が11件、「農・林・漁・鉱業」が5件、「情報通信業」が2件、「運輸業」が1件となった。
原因別では、「販売不振」が77件と最多で、「放漫経営」・「他社倒産の余波」が各7件、「既往のシワ寄せ」が5件、「その他(偶発的原因)」が3件、「過小資本」・「信用性低下」が各1件発生した。
形態別では、「破産」が82件と最多で、「特別清算」が7件、「銀行取引停止」が6件、「民事再生法」が5件、「内整理」が1件となった。
また、大型倒産(負債総額10億円以上)は2件発生した。
株式会社東京商工リサーチ新潟支店は今後の見通しについて「輸出産業や大手企業の好業績が目立つが、コロナ禍から一転して人手不足が顕著になっている。業績回復が遅れ、賃上げの流れに乗れない企業、背伸びした賃上げで資金繰りが悪化した企業を中心に、『人手不足』関連倒産はしばらく増勢をたどるとみられる」とコメント。
また「2024年4月、ゼロゼロ融資の返済開始が最後のピークを迎える。ただ、コロナ禍からの業績回復が遅れ、過剰債務に陥った企業は多い。そうした企業は、物価高への耐性が乏しい。さらに人材確保のための賃上げなどのコスト上昇、借入金の金利負担増加なども想定され、収益悪化による資金繰りへの影響を見極めていく必要がある」と延べた。