【地域医療の未来に投資】「医療人材の質の向上を後押ししたい」花角知事、新潟県が新潟大学医学部の基金へ5,000万円寄附

(左から)新潟県の花角英世知事、新潟大学の牛木辰男学長、佐藤昇医学部長

新潟県は4月4日、今年2月に新潟大学医学部が設立した「“日本一”の医師育成拠点創設基金」に対し5,000万円の寄附をするにあたり、贈呈式を行った。贈呈式には、新潟県の花角英世知事と新潟大学の牛木辰男学長、佐藤昇医学部長が出席し、目録の贈呈と記念撮影を行った。

「“日本一”の医師育成拠点創設基金」は、新潟大学医学部における医師育成のために必要な教育環境の整備や実施体制の構築を目的として今年2月に設置した。寄附金の使途は、IT環境整備、バーチャルリアリティ(VR)を活用する実践的な実習機器の開発・導入、医療シミュレータの充実など、より高度なトレーニング環境の整備などで、寄附金の目標金額は3億円としている。

新潟県は医師不足が課題となっており、厚生労働省が発表した2023年度の医師充足度では、医師の充足度を示す医師偏在指標において全国ワースト3位だった。県は医師の確保に向け、さまざまな大学の医学部入試段階において、新潟県の「地域枠」を設ける取り組みを行っている。

令和6年度の新潟県地域枠は、全大学トータルで77人。うち40人が新潟大学医学部に設置している。また新潟大学医学部医学科は、令和5年度から入学定員を増員し、全国最多の140人となっている。

基金へ5,000万円寄附することについて、新潟県の花角英世知事は「これまでも新潟県としては寄附口座を設けて支援してきたが、今回はもう一段、医療人材の質向上を後押しさせていただきたい。基金がさらに多くの県民の皆さんに関心をもっていただけるように、大学と連携をしながら取り組んでいきたい」と話した。

牛木学長は、「新潟大学は単に定員数で日本一というだけにとどまらず、教育の質を拡充して社会から求められる医療人を育成する医学部として日本一の拠点となることを目指す。今回いただいた寄附を含め、本基金を有効に活用させていただくことで激動する社会変革に対応し、地域に貢献できる医療人育成に継続して取り組んでいく。新潟県のさまざまな医療課題の解決に努めていきたい」と話した。

どのような医師を育成していきたいかという質問に対し、佐藤医学部長は、「これから求められるのは1人で守備範囲が広い『総合診療能力』がある方。そういう学生を育成する必要性が高まっていると感じている。また、テクノロジーを使って医師少数であってもカバーできる医療人材を育成していきたい」と意気込みを語った。

新潟県の花角英世知事(左)が、新潟大学の牛木辰男学長に目録を贈呈する様子

基金の活用への想いについて語る新潟大学の牛木辰男学長(写真中央)

 

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