【日本文化を愛でる春】10thアートミックスジャパン開催!咲き誇るジャポネスク ハシゴしてでも体験したい
芸能、文化、芸術をフリージャンルで集めた日本伝統芸術の祭典、アートミックスジャパンが4月13、新潟市のりゅーとぴあ(新潟市中央区)などで開催した。今年は2013年の第1回から数えて10回目の開催となるメモリアルイヤー。同イベントは14日まで行われる。
開幕の13日は快晴となり、最高潮となった白山神社の桜見との相乗効果で、多くの観覧客が足を運んだ。
10時になると恒例のふれ太鼓と獅子舞が場内をねり歩き、祭り気分が否応にもかきたてられる。
りゅーとぴあ劇場は、伊勢大神楽・山本勘太夫社中でスタート。伊勢太神楽は国指定重要無形文化財にも指定される国内でただひとつの「専従神楽師集団」。三重県桑名を拠点とする450年以上続く伝統芸能で、江戸時代から一年を通じて西日本を旅で巡りながら伊勢神宮の神札を配っていたのが始まり。
昨年の開催で新潟初お目見えの際は、舞台終了後に神札を求める観客が長蛇の列を成したという。今年も軽妙な語り口と、ユーモラスな曲芸の数々は、アートミックスジャパンの盛り上がりを一気にMAXまで引き上げる最高のオープニングアクト。会場は大いに沸いた。
本日のステージで最も観客を集めたのは、りゅーとぴあコンサートホールで行われた法相宗大本山・薬師寺の「声明」。
「声明」は、昨年のアートミックスジャパンで、大和国総本山・長谷寺のステージが大きな反響を呼んだ。独特の歌うような節回しから「僧侶のゴスペル」とも称される荘厳な世界を作り出す。
この日は、薬師寺が毎年3月、1週間にわたって開催する略式法要「修二会花会式」がステージで再現された。実物大の薬師三尊が描かれた大掛け軸を背景に祭壇が設えられ、僧侶の美しくとおる声がこだまする。
7人の僧侶の声が重なるにしたがって「ここは本当に新潟か?」と疑わせるほど荘厳な異空間がつくられると、なかには涙を流す人の姿もあった。
まさに1300年の時を超えた平和への祈り。法相宗大本山・薬師寺の管主・加藤朝胤師が読む般若心経に会場の皆が自然と手を合わせる姿は、世界一厳かなコール&レスポンスだった。
続いて劇場のステージでは、「神話の舞」石見神楽の登場。発祥は江戸期と言われるが定かではない。文化文政期に国学が台頭すると、古事記・日本書紀をテーマにした演目が増えたという。もともとは神事の演舞だったものが、土地の人に受け継がれ、民俗芸能として伝承された。
笛、太鼓による軽妙なリズムに乗って繰り広げられるファンタスティックな神話の世界は、まさに「神代のミュージカル」。
この日の演目は、神話に詳しくない多くの人も知る「須佐之男命(スサノオノミコト)の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治」。おおがかりな仕掛けと正雅で古典的な言葉遣いが、観るものを一気に神話の世界へと引き込む。これぞ日本の舞台芸術の粋、を感じさせる圧巻のパフォーマンスを披露した。
この日、会場に集まったのは舞台芸術だけでなく、蒔絵・金箔などの伝統工芸、子供も喜ぶ飴細工、生け花や書の展示など盛りだくさんのジャポネスク。まさに「きもので出かけたくなる」和の極みだが、実際きものの来場者は多く、場内のきものレンタルコーナーも大いに賑わっていた。
中でも、妙高市関山のリゾートホテル「休暇村妙高」が、妙高の郷土料理「笹寿司」で出店したブースが大繁盛。昨年より多い250個パックの笹寿司を持ち込んだところ、飛ぶように売れて14時前には完売した。
アートミックスジャパンは14日も開催。日本中探しても、新潟でしか味わえない和の祭典で「さあ日常を咲かせよう」
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