【道路調査の結果を活用できず】心肺停止の通報で出動した救急車、狭い道路へ進入できずブロック塀へ接触(新潟県阿賀野市)
新潟県阿賀野市で4月10日夜、救急車が狭い道路へ侵入できずブロック塀に接触し、現場に到着できない事案が発生した。
阿賀野市によると、通報があったのは同日19時10分。場所は、阿賀野市若葉町。通報は、「80歳代の男性が心肺停止の疑いがある」との内容で、救急車とレスキュー車(大型車)の2台で同時出動した。
しかし、傷病者宅は狭い道路に面しており、救急車が進入を試みても曲がりきれず、切り返しで進入するには時間がかかると判断したため、途中で救急隊員(救急救命士)が救命資器材を携行して降車。1分後に約100メートル先の傷病者宅へ到着した。到着時、男性は既に心肺停止状態だったため、救命処置を開始した。
同時出動したレスキュー車は広い道路へ迂回し、先着救急隊員の到着から3分後に傷病者宅へ到着。共に救命処置と受入れ先医療機関の調整を実施した。
救急車は、傷病者宅へ向かうため道路への進入を試みていた際に車両左側をブロック塀に接触させたため運行できなくなり、別の救急車を増隊要請。増隊救急車が救命処置を継続しながら男性を医療機関へ搬送したが、搬送先に収容後、男性は死亡が確認された。
阿賀野市によると、今回の事案では傷病者への救命処置開始の遅れはなく、また、医療機関への搬送も増救急隊が到着したため遅れはなかった。
一方で、通常時の道路調査の調査結果が十分に活かされなかったことが今回の事案の要因であることから、「今後このようなことがないよう進入路の再調査と進入方法の検討を行ない、再発防止に努めていく」としている。