【キシャメシ】あの「東横」が生まれ変わる。リニューアルレセプションで確かめたその味は・・・【動画あり】

初回掲載:2024年4月23日
再掲載:2024年4月28日

いつもの『キシャメシ』は、記者が日々の取材の合間に食す昼飯を、感じるままに伝えるというもの。しかし今回はいつもと違う。

取材の合間ではなく、「食事付きの取材」というごく稀に発生するボーナスチャンスが訪れたのだ。そしてその取材先とは、昨年から今年にかけていろいろと話題に上った有名ラーメン店、元祖新潟濃厚味噌の 「東横」だ。

新潟五大ラーメンの一つとして、「元祖新潟濃厚味噌」を牽引してきた「東横」。しかし2023年10月、経営難から民事再生法の適用を申請したことが報じられた。県内外にその知名度が浸透していただけに、大きな話題となった。

このまま「東横」は無くなってしまうのか・・・。「新潟五大ラーメン」はどうなるのか・・・。

地元新潟では心配の声が上がっていたところ、今年の2月9日、米菓製造の阿部幸製菓株式会社(新潟県小千谷市)が事業買収するニュースが飛び込んできた。

米菓の製造のみならず、外食事業も手掛けている阿部幸製菓が、「東横」の再建に名乗りを上げたのである。

<参考記事>【人気店の再建へ】元祖新潟濃厚味噌ラーメン「東横」が阿部幸製菓に事業譲渡、3月1日よりグループ参入へ

 

「東横」が阿部幸製菓グループに加わることとなり約2か月半。この度、「新たな東横」としてグランドメニューを一新し、リニューアルオープンすることが決定した。

東横 愛宕店(新潟市中央区)、現在は休業中で5月23日にリニューアルオープンする

東横メニューリニューアルレセプション

リニューアルを前にした4月22日。関係者やメディアを招いたレセプションが愛宕店(現在休業中)で行われ、新メニューがお披露目された。

今回お披露目されたのは、「元祖新潟濃厚味噌ラーメン」と、「新味・濃厚味噌ラーメン」の2つ。

昔ながらの東横の味は「やっぱりこの味!」と納得してもらえるよう、元祖の味を追求したのが「元祖新潟濃厚味噌ラーメン」だ。

創業当時のレシピを復活させ、越後味噌をベースとした濃厚スープで食べる「元祖東横の味」に、今の嗜好やニーズに合わせて更に微調整して誕生した。

「元祖新潟濃厚味噌ラーメン」

まず運ばれてきたのが「元祖新潟濃厚味噌ラーメン」。湯気が立ち上るラーメンと具、そして濃厚そうな色のスープが食欲をそそる。先ずはスープから口に運ぶ。

「東横」ならではの濃厚なスープの味が口の中全体に広がる。「ああ・・・、これはクセになるやつだ・・・」と感じた。いや、昔食べた味の記憶が蘇ったのかもしれない。とにかく文句なしの美味しさだった。

ただし正直に言うと、スープの味の濃さが、昔の記憶よりはやや優しい(薄い)感じた。しかしどうだろう。そもそもキシャの舌の記憶はだいぶ怪しい。ぜひ自分の舌で確かめていただきたい。

「新味・濃厚味噌ラーメン」

割りスープも付いてくる

続いて提供されたのが「新味・濃厚味噌ラーメン」。こちらは、越後味噌、白味噌、15割麹味噌をブレンドした味噌だれに旨味の強い濃厚スープを加えたもの。

具材にはフライドオニオンやフライドガーリック、ねぎ、ゆずなどの香味野菜がたっぷりとトッピングされていて、お楽しみがたくさん詰まっている一杯だ。

「元祖」とは違う、新しい濃厚さが見事に表現されていた。「元祖」と似ている点としては、こちらの味もクセになりそうということだ。

 

「原点回帰」を目指す「東横」

株式会社阿部幸製菓(新潟県小千谷市)の代表取締役社長で「東横」を運営する株式会社東横(新潟市中央区)の阿部幸明代表取締役社長

レセプションでは、株式会社阿部幸製菓(新潟県小千谷市)の代表取締役社長で「東横」を運営する株式会社東横(新潟市中央区)の阿部幸明代表取締役社長が登壇し、マイクを握った。

「東横のブランドは大きな強み。歴史とブランドは簡単につくることはできず、それだけ多くのお客様やファンがいる。創業から40年以上に渡って愛されてきて、新潟県民の想い出の中にある味だと思っている」(阿部社長)

一方で近年では、利用客から「昔と見た目も味も変わった?」など、厳しい声が多く寄せられていたという。

そこでリスタートを切るこれからの「東横」が目指すものとして、阿部社長は「原点回帰」を掲げた。

阿部社長は、「お客様からの評価をしっかり受け止めてそれに応えていくことが大事」と話し、東横の本来あるべき姿を取り戻し、挑戦と革新で地域の人々に「なつかしい美味しさ」を提供する方針を示した。

 

阿部幸製菓グループだからこそ実現できるシナジー

阿部幸製菓株式会社(新潟県小千谷市)

阿部幸製菓「柿の種のオイル漬け」

阿部幸製菓グループとして「東横」が活動していくことで、さまざまなナジーが期待できる。

その1つは、原料調達における原価低減だ。多くの食品を取り扱う阿部幸製菓グループは、原料の調達においてスケールメリットを出すことができる。原料のみならず、エネルギー価格の高騰、物流費、為替などに起因する原価の課題を、グループ経営によって改善していくことを目論んでいる。

さらに、阿部幸製菓がこれまで培ってきた商品開発力を活かしていくことも視野にある。同社のヒット商品「柿の種オイル漬け」など、顧客の声から多くの商品を開発しており、この商品開発力をこれからの「東横」にも活かし、グループ全体で力を結集させていくことを計画している。

今後の展望について阿部社長は、「先ずは既存の店舗で新たなメニューをつくって再スタートしていくが、私たちの強みは新潟を中心にしていきながら、全国、そして世界へ『元祖新潟濃厚味噌 東横』を広げていくチャンスがあると思っている。未来に向けて邁進していきたい」と意気込んだ。

「東横」のグランドメニューの提供は4月25日から

「新たな東横」として一新するグランドメニューは、紫竹山本店、新潟駅前店、イオンモール新発田店、リバーサイド千秋店で4月25日から提供を開始する。愛宕店では、店舗の一部改装も行い、5月23日のオープンを予定している。

■店舗
東横 紫竹山本店(新潟市中央区紫竹山1丁目8-20)
東横 新潟駅前店(新潟市中央区花園1丁目3-10)
東横 イオンモール新発田店(新潟県新発田市住吉町5丁目11-5 イオンモール内)
東横 リバーサイド千秋店(新潟県長岡市千秋2丁目1087-1)
東横 愛宕店(新潟市中央区愛宕2丁目2-3)

____

「新たな東横」が地域の人々に再び愛され、欠かせない存在となるか。そして、阿部幸製菓グループのシナジーが最大化され、新潟の食品業界や飲食業界を盛り上げていくのか注目していきたい。

(記者N)

【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。

 

こんな記事も

 

── にいがた経済新聞アプリ 配信中 ──

にいがた経済新聞は、気になった記事を登録できるお気に入り機能や、速報などの重要な記事を見逃さないプッシュ通知機能がついた専用アプリでもご覧いただけます。 読者の皆様により快適にご利用いただけるよう、今後も随時改善を行っていく予定です。

↓アプリのダウンロードは下のリンクから!↓