【伝統を受け継ぐ】伝統的な木目込みで五月人形を作る 新潟県長岡市の市民サークル〈なでしこ会〉の活動
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初掲載:2024年5月5日
アオーレ長岡では4月、男子の節句に合わせて、五月人形を日本伝統工芸の木目込みで作る講習会が催された。主催は〈なでしこの会〉である。
同会では、定期的に集まって、木目込み人形作りの講習会を行っている。会の名前の由来である〈なでしこ〉は、日本古来の花の品種。花びらは小さいが、一か所に寄り添いながら美しく咲いているのが印象的な花である。
同会はまさに、なでしこの花のようにお互いに仲良く、助け合いながら活動を続けていこうと、数年前に立ちあがった女性たちによる市民サークルである。
木目込み人形作りの指導にあたるの小根山さんは、長岡市の出身。結婚を機に新潟市へと移り住んだ。暫くは夫の経営する会社の手伝いなどをしながら、地元の教室で人形作りを習っていた。
その後、さらに技術を磨こうと一念発起し、新潟から、月に数回、東京都台東区にある久月人形学院に通い続け、正教授の資格を得た。新潟県でも数少ない総華督の資格を持つ。現在、新潟市以外にも、長岡市を含め、県内数カ所で、後進の育成にあたっている。
4月17日の参加者は10人程度。中には長岡市以外からの参加者もいた。参加者の声を聴いてみた。市政だよりで、サークルのことを知り、昔、自身が人形作りをしていた経験から、サークルの活動に関心を持ち、参加したという長岡市内女性(60歳)は、「人形作りは奥が深い。伝統文化を学ぶ良い機会になった」と語った。
また、上越市から通っている女性(60代)は、小根山さんから習い始めて5年目だという。「(活動を通して)知らない人と友達になれたりすること自体が楽しい。先生は厳しい方だけど、フレンドリーなので続けていける」と語った。
同サークルは、これまでも新潟県内で、定期的に完成した作品を展示するなどの機会を作ってきた。今年は秋頃に、久月学院のある東京で展示会を開く計画もある。その際は、展示の合間に皆で東京見物もしたいと小根山さんは考えている。「これからも、技術と伝統を楽しく、親睦を兼ねて教えたい」と、夢を語った。