【2桁倒産は4カ月連続に】4月の新潟県企業倒産件数は前年同月から5件増 東京商工リサーチ発表

企業倒産月次推移(報道発表資料より)

株式会社東京商工リサーチ新潟支店は5月2日、2024年4月度の新潟県の企業倒産状況(負債総額1,000万円以上)を公表した。それによると、倒産件数は11件、負債総額は20億8,100万円だった。

倒産件数は、前年同月比で120.0%増(6件増)、前月比では同数であった。4月度としては、1962年の集計開始以来63年間で46番目、平成以降の36年間では23番目となった。

負債総額は、前年同月比で440.5%増(16億9,600万円増)、前月比では7.3%減(1億6,300万円減)だった。過去63年間では34番目、平成以降の36年間では21番目となった。

産業別では、10産業のうち、「建設業」・「サービス業他」で各4件、「製造業」で2件、「卸売業」で1件発生。原因別では、「販売不振」が9件、「過小資本」・「設備投資過大」が各1件発生。形態別では、「破産」が9件、「特別清算」・「銀行取引停止」が各1件発生した。

業歴別では、「30年以上」が5件、「10年以上20年未満」が3件、「2年以上10年未満」が2件、「20年以上30年未満」が1件発生。地域別では、「新潟市」が7件、「長岡市」が2件、「新発田市」・「胎内市」で各1件発生した。

なお、大型倒産(負債総額10億円以上)の発生はなし。新型コロナウイルス関連倒産は11件中7件だった。

東京商工リサーチ新潟支店は今回の結果について「コロナ禍をゼロゼロ融資などの各種支援で窮状をしのいだ中小・零細企業は多い。しかし、その副作用で過剰債務を招き、資金調達に課題を抱えながら物価高、人件費上昇などのコストアップに見舞われており、中小・零細企業は体力を削がれている」とコメント。

また、「日本銀行がマイナス金利政策解除を決定し、長く続いた低金利時代が終焉を迎えて、金利のある世界への転換期に入った。これにより日米の金利差の縮小から外国為替レートは円安から円高に進むとみられたが、2024年4月26日には、一時、1ドル=160円台に乗せ、34年振りの円安水準となった。さらに、大手企業は大幅な賃上げが相次ぎ、中小企業も賃上げを迫られている。しかし、物価高と人件費上昇分の価格転嫁は容易ではなく、中小・零細企業の資金繰り悪化に拍車を掛けることも想定され、企業倒産が増勢を強める可能性は否定し得ない」との見通しを示した。

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