NEXCO東日本新潟支社が中之島見附ICから三条燕IC間の橋梁リニューアル工事現場を公開
NEXCO東日本新潟支社は2日、北陸自動車道「中之島見附IC」から「三条燕IC」間に架かる栄橋のリニューアル工事の現場をメディア向けに公開した。同区間は交通量が多く、また午前と午後で上り線と下り線の交通量が反転する特性があることから、移動式防護策(ロードジッパー)を活用した3車線運用をしながらの工事を行っている。
NEXCO東日本、中日本、西日本などでは現在、高速道路の大規模更新と修繕事業を進めている。NEXCO東日本管内の内4割の高速道路が供用から30年以上が経過。近年は大型車の交通量や車両総重量が増加しているほか、特に雪国では凍結防止剤(塩分)などの散布により劣化・老朽化が加速しているという。新潟県内ではこれまでにも、北陸自動車道の高瀬橋と正善寺トンネル、関越自動車道の松川橋などのリニューアルを実施してきた。
今回公開されたのは、北陸自動車道「中之島見附IC」から「三条燕IC」間に架かる栄橋のリニューアル工事。栄橋は1978年9月に供用開始、令和1年時点では日に平均3万9,300台が通行する。冬場の凍結防止剤による塩害などによるコンクリート床部分のひび割れや剥離が進行しており、工事により床材をより耐久性の高いプレストコンクリート床版(PC床版)に取り替える。
一方で、同区間は日中ほとんどの時間帯で渋滞の目安となる1,200台を超える交通量があり、さらに午前中は上り線が、午後は下り線の交通量が増加するという交通特性があることから、交通への影響を軽減するための工夫が求められる。
通常2車線のみ確保する工事時の交通規制を、今回は3車線で実施。さらに交通特性に合わせ、時間帯によって1車線の道と2車線の道を切り替える。この変則的な車線の確保を実現しているのが、移動式コンクリート防護柵と防護策切り替え車(BTM)によるロードジッパーだ。今回の工事では、同時に工事が行われている同区間の貝喰川橋まで約3.3キロメートルに渡りこの方式が採られている。
2日正午の切り替えに合わせて実施されたメディア向け公開では、高速道路を通行止めにすることなく一般車両が通り過ぎていくただ中で、BTMが1つ約680キログラムあるコンンクリート防護策を次々と移動させていった。なお、ロードジッパーの導入は東日本管内では初であり、設置距離では全国最長の事例となる。
床版取替え工事は、下り線を5月から7月、交通混雑期である7月下旬から8月を挟み、上り線を8月下旬から10月の間実施する予定だ。NEXCO東日本ではこの期間、現場事務所に設置した交通監視室で渋滞状況などを監視。都度、簡易情報板にて、工事規制や渋滞情報、所要時間などの情報を配信するほか、渋滞が予想される土日には料金調整に対応する。また、公式LINEアカウントやTwitterなどでも、北陸道と(工事渋滞時などで迂回路となる)国道8号線の所要時間の比較情報などを提供していくという。