6月県議会が開会、知事が所信表明
■公共事業、エネルギー産業、U・Iターン
県議会6月定例会が7日、開会した。初日の7日は、泉田裕彦知事の所信表明が行われた。
その中で、泉田知事は、「景気回復を実感できる経済環境を早期に整備していきたい」と語り、「県単独公共事業については、(予算執行の前倒し方針を示している)国の目標を上回る今年度上半期の(前倒し)発注目標を設定した」ことを明らかにした。
また、中長期的な経済活性化の取り組みとして、雪冷熱エネルギーや、洋上風力発電、上越沖に賦存するメタンハイドレートの可能性について言及。
「雪冷熱エネルギーを活用したデータセンターは9月の商業運用に向けて5月に効果検証がスタートした。地中熱については、住宅への設備導入支援を開始したところ。また、(胎内沖の)洋上風力発電の導入可能性についても調査を進めることにしている」などと述べていた。
■大型クルーズ船、新潟空港についても述べる
一方、経済波及効果の高い大型クルーズ船の誘致。
本県にも先月22日に県内で過去最大規模のクルーズ船が寄港したばかりだが、泉田知事は、「今後も施設の増強を図るとともに、船社への働きかけに力を入れていく」と述べていた。
この大型クルーズ船の誘致については、自治体間の競争が激化している。ただ、アジアに近い博多(2015年の外国船寄港数245回)、長崎(同128回)、那覇(同105)が、寄港回数が多い港の上位に名を連ねるなど、“西高東低”となっている。
加えて、釜山港との連携により今夏、コスタ・グループの船が10回寄港する予定の金沢(2015年国内外の船の寄港数は16回)や、伏木富山(同9回)、秋田(同7回)、敦賀(同6回)に比べても、新潟(同5回)は引き離されているのが実情だ。
そうしたなか、遅まきながらも、今年3月に新潟東港の南埠頭木材岸壁(木材ふ頭)で14万トンクラスの受け入れを可能にした。
さらに平成28年度中に同ふ頭で、17万トンクラスを受け入れられるようにするほか、東港の中央ふ頭東側岸壁で世界最大クラスとなる22万トンの受入れが可能になるよう整備することも検討中だ。
開港5港の名に懸けても巻き返しに期待したいところだ。
このほか、新潟空港について、泉田知事は、「首都圏第三空港化を視野に入れ、先般公表した軌道系アクセスの採算可能性の調査結果も踏まえ、取り組みを進めてまいりたい」と述べていた。
喫緊の課題である人口減少問題については、結婚、妊娠、出産、子育て支援の重要性を強調。
加えて、「今年度、県内にUターン就業した若者を対象とした奨学金返還支援制度を創設したほか、県外学生が県内で就職活動やインターンシップを行う際にかかる交通費を支援することにした。若者のU・Iターンをさらに促進していきたい」と述べていた。