【処分の軽さに批判の声】「酒くばり」の梅谷守衆院議員に立憲民主党が「党員資格停止1カ月」に各方面から「身内に甘い」と
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初掲載:2024年5月25日
選挙区内で有権者に対し日本酒を供与していたことが発覚した、立憲民主党の梅谷守代議士(旧新潟6区選出)に対し、同党は5月22日の臨時持ち回り幹事会において「党員資格停止1カ月」を承認し、同時に「党役職停止3カ月」の措置を決定した。処分は党倫理委員会での審査を経て再度常任幹事会を開き、そこで正式決定する。
また泉健太代表は、捜査の進展によって「追加処分はありうる」と言及している。
公職選挙法では選挙区内における違法な寄付行為を禁じており、立件されれば50万円以下の罰金、場合によっては公民権停止もありうる。
梅谷氏の選挙区内における「酒くばり」行為については、2024年2月に地元メディアによって現場をとらえた動画が公開され波紋を呼んでいたが、本人は自身のSNSで「このたびの私の軽率な判断についてお詫び申し上げます」などと謝罪していたものの、あくまで「イベントの対価として提供したもの」として、公職選挙法に抵触する意識がなかったことを強調していた。
4月には糸魚川市の行政書士によって公職選挙法の疑いで刑事告発されており、告発状は受理されて当局による捜査が進んでいる。
一連の事態を受け、地元上越の記者クラブでは再三にわたり梅谷氏の会見を求めたが、現在まで開かれていない。
24日に国会内で報道陣の取材に応じる態度を見せたが「改めて私の軽率な行動を深く反省しています。誠に申し訳ありませんでした。(自身のHPにある)コメント通りですので」と新幹線に急いだ。
「うめたに守オフィシャルサイト」では「本日、党本部常任幹事会において、私に対する3カ月間の党の役職停止、および党員資格停止1カ月の倫理委員会への提起が決定されました。(中略)現状、2024年4月10日にご報告させていただいたとおり、捜査機関に対して2月の報道前から自主的に事実関係の説明を継続して行っておりますので、引き続き捜査機関に全面的に協力してまいります」と報告しており、梅谷氏はこれをもって処分への「コメント」としている。
各メディアは党の処分や本人の対応に批判的な論調が目立つ。同党では自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題を追及し、その処分に対して「身内に甘い」などと糾弾してきただけに各方面からも批判が集中している。
選挙区内での違法な寄付行為をめぐって、他党の前例では本人の議員辞職や無期限の党員資格停止など、かなり厳しい処分が目立ち、今回の立憲民主党の対応とはギャップの意識を禁じ得ないところ。
新5区(旧6区)においては野党共闘の相手でもある共産党新潟県委員会の樋渡士自夫委員長は、24日に「にいがた経済新聞」の取材に応えた。
「党全体の意向としてはお話しできない」と前置きしつつ、個人的な感想・意見として「対応が遅い。処分が甘い。本人は知らないでやったのかもしれないが、これが共産党であれば議員辞職は免れない」と語気を強めた。
岸田内閣の支持率低迷、自民党裏金問題などで、次期総選挙では自民政権転覆も現実的に視野に入ってきた野党側にとっては、身内から足を引かれる思いに違いない。
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