にいがた新世代ヘルスケア情報基盤」プロジェクトに関するシンポジウムが開催
実現の暁には健康寿命も伸びる?
新潟県は28日、個人の医療・介護情報を個人情報保護に配慮しながら集約化する「にいがた新世代ヘルスケア情報基盤」プロジェクトに関するシンポジウムを新潟市中央区で開催した。
県が、このプロジェクトを進める背景には、実際の寿命と健康寿命に10年の開きがあるようだ。
現在、被保険者の医療・介護に関するデータ(健診データ、レセプト、介護給付費明細書、診療・調剤記録、介護記録など)は、自治体、医療機関、薬局、 介護施設などがそれぞれ保有・管理しており、データが分散し相互につながっていない。そこで県では、個人の医療・介護情報を集約化するとともに、そのデータを基に、この個人が、どんな生活習慣病などにかかるリスクがあるのかを分析。指導(その人の情報を基にしたオーダーメイド型の指導)。健康寿命の延伸などを目指すことにした(セミナーでは心拍数などを計測できるApple Watchも紹介されていて、将来、このApple Watchで集めた情報も活用されるかもしれない)。
これに伴い、昨年4月、全体構想と実現に向けたロードマップの策定のため、医療政策や医療情報の活用に精通している宮田裕章氏(慶應義塾大学医学部教授)を、福祉保健部の健康情報管理監に委嘱した。以降、宮田氏を座長に、昨年、構想策定に向けて「にいがた新世代ヘルスケア情報基盤」プロジェクト推進委員会を3回開催し、構想(素案)を取りまとめた。
また、国でも、病院、診療所、薬局などの情報共有を進める「全国保健医療情報ネットワーク」を進めている。現在、26都道府県に、全県的な医療ネットワークが整備されている。さらに今後は、生涯に渡る医療などの情報を経年的に把握できるようにするため、他県同士のネットワーク接続も目指しているという(なお新潟県にはこのネットワークはないようだが、佐渡の「さどひまわりねっと」は有名)。
セミナーの中で、「認知症の新薬は向こう10年期待できないが、(データを使って)予防していくことは少ない予算でもできる」なとどと語られていた。