【にい経編集部発】記者コラム&今週の主なニュース 6月8日〜14日
記者コラム「目標達成には意味がない」
2023年末に閉店した「表参道・新潟館ネスパス」に変わる、新たな首都圏のアンテナショップ施設「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」が、5月31日から8Fの飲食スペース「THE NIIGATA Bit GINZA」が先行オープンした。
明日6月17日からは、第2弾先行オープンとして、移住相談窓口&イベントスペースが開店。1、2Fの物販スペースを含むグランドオープンは8月8日を予定している。食、伝統工芸品、文化など新潟の魅力を県外や国外に伝える場所としての期待が高まる。
5月末に行われた「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」オープンに関する記者会見では、記者から鋭い質問が飛んだ。それは、目標についてだ。
「銀座・新潟情報館 THE NIIGATA」の集客目標、売上目標、その他KPI(key performance indicators、重要業績評価指標)などをどのように設定しているか。そのような質問が、担当部局の担当者に投げかけられた。
この質問に対し、担当者から具体的な数値の明言はなく、「目標設定はしていますが、具体的にはこれから・・・」といったようなあいまいな回答。やや言葉に詰まりながら気まずそうな表情で語った担当者に、「一般的な会社ではありえない」という趣旨で、記者がさらに追求する場面があった。
「目標は達成することに意義はない」と筆者は考える。ただし、目標を立てることに意味がないという事では決してない。
大事なことは、今のレベルでは到達できない目標を立て、そこに向かって行動することに意義があると思う。たとえ達成できなかったとしても、確実に成長することができるからだ。達成できそうな目標を設定して取り組むよりも、大きい目標に対して試行錯誤して行動する場合の成長率は確実に増大する。
さらに困難な目標に対し現在地を共有して必死に行動していれば、人は応援したくなる。それが大きなうねりとなり、「改革」レベルの結果にたどり着けるのではないだろうか。
しかし、頭ではわかっていてもなかなか出来ないのが人間だ。読者の皆さんはどうだろう。偉そうに語っている筆者も当然出来ていない(笑)
特に、行政職員という立場で考えると、もし目標未達の場合はその事実だけがクローズアップされてバッシング報道につながることもある。はたまた、担当部局内での個人評価が悪くなり、出世に影響するかもしれない。このような環境が大きな目標設定を阻むからくりの一つではないだろうか。
行政マンに対しての「大きな目標を立てて取り組んで欲しい」という要望は、メディアとしてバックアップするような報道をすることが私たちが出来ることだと思う。
目標達成の成否だけではなく、行動内容、変化、成長率などにもしっかりとフォーカスした報道をすることで、優秀な行政職員たちの更なる活躍を後押しすることができるのではないだろうか。
県や自治体が大きな目標を堂々と掲げて挑戦できる環境づくりを、報道の仕方でサポートしていきたい。
(編集部・中林憲司)
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