帝国データバンク新潟支店が「新潟県企業倒産集計2021年5月報」を公表
帝国データバンク新潟支店は7日、「新潟県企業倒産集計2021年5月報」を公表した。集計によると、5月の県内企業の倒産件数は6件で、前月と同数、前年同月比で3件増加した。負債総額は前月比△71.1%で2億900万円、前年同月比△68.1%で6億5,500万円と、前月比、前年同月比ともに減少した。
倒産した6件の業種は、卸売業が3件、建設業、小売業、運輸・通信業がそれぞれ1件。小売業が5ヶ月連続で発生するなど、個人消費関連業種の倒産が続いている。倒産理由は販売不振が5件、その他が1件で、コロナ禍に伴う販売不振による倒産が目立つ。
規模別では、5,000万円未満が4件、5,000万円以上1億円未満が2件。負債額1億円を超える倒産は発生せず、小規模倒産で占められた。態様別は破産が6件。倒産態様のみとなったのは3ヶ月ぶりとなる。
業歴別は10年〜15年未満が2件、3年〜5年未満、5年〜10年未満、20年〜30年未満、30年以上がそれぞれ1件。引き続き業歴30年以上の老舗企業倒産の発生はあるものの、当月は15年未満の比較的業歴の浅い倒産が7割を占めた。
主な倒産企業は、有限会社カツモク(負債総額6,700万円)、株式会社倉沢石油(同5,200万円)、株式会社MIKADO(同3,000万円)、株式会社ウエイブ(同3,000万円)、株式会社NKグローバル(同2,000万円)。
このうち有限会社カツモク(村上市)は1995年に設立された塗装工事業者。大手ハウスメーカー向けの化粧間仕切り、窓枠、フローリング等建築部材の塗装工事を主体に、木製家具の製造も併営し、2017年7月期には年売上高約7,300万円を計上していた。
しかし、近年は主力得意先ハウスメーカーで不祥事が起こった影響などから売上が減少し、2020年7月期の年売上高は約5,000万円に減少。さらに、近時は新型コロナウイルス感染拡大に伴い工事の進捗がストップするなど業況が悪化したことも重なり、今月5月末の支払いが困難になったことから、5月14日付で事業を停止していた。