【起業目指す人向けの支援も】「女性社長」比率が全国下位の新潟県、花角英世知事が県内の女性活躍や人口減少に言及
新潟県の花角英世知事が企業での女性リーダーや女性の起業について「挑戦しやすい環境をつくっていきたい」と話した。県では今後、起業を目指す女性向けの支援策なども行っていくという。
花角知事は6月19日に記者会見を実施。帝国データバンクが1月に発表した、県内の女性経営者の比率が7%に満たず、全国でも6番目の少なさであるとの調査結果から、会見で、今後の女性活躍について「にいがた経済新聞」が質問した。
花角知事は「こうすれば必ず増えるという『特効薬』があるわけではないが、いわゆる組織のリーダー的な立場の女性を増やしていくことは重要だと思っており、そうした環境づくりには取り組んでいる」と話した。
つづけて「例えば、ハッピー・パートナー企業(男女共同参画推進企業)登録制度。そうした(男女ともに仕事と家庭が両立できるような)ものに意識を持った企業を増やす努力をしておいる。また、女性向けに加えて、現在の経営者にも自分の後継を考える際に意識改革をしてもらう必要があると考え、企業のトップ層向けのセミナーも行っている」と説明した。
合わせて女性の起業についても言及。これまでにも女性向けに起業をテーマとしたセミナーを実施しているが、今年度には「セミナーを受けた人向けに、フォローアップの相談会も実施しようと準備している。起業という面でも、女性が挑戦しやすい環境をつくっていきたい」という。
会見の中では、地方の人口減少についての質疑も上がった。花角知事は「若い世代の流出については、私の知事就任以前からの県の深刻な課題。例えば、若者に魅力ある企業の誘致などに取り組み、新潟市や長岡市では集積が進んでいる。また、先ほども話したハッピー・パートナー制度のように企業の努力を後押ししている。そうした個別の政策を積み重ねるなかで、若い世代にも選んでもらえるようにしていきたい」とした。
一方で、地方での取り組みでは限界もあるとして、地方を優遇する税制や教育の仕組みなど「国でないとできないこともある」と話す。「東京一極集中は経済的には効率性があり、なんらかの仕組みを作らなければどんどん進んでいく。しかし、一極集中は災害時などで国の機能が麻痺しかねない」との考えを示した。