航空機関連の新潟エアロスペース(新潟市)が事業を開始
新潟市の中原八一市長に事業開始を報告
新潟市は、「NIIGATA SKY PROJECT(ニイガタスカイプロジェクト)」と銘打って、航空機産業の集積に向けた取り組みを推進している。このニイガタスカイプロジェクトに賛同する3社の共同出資で新会社「新潟エアロスペース株式会社」(新潟市中央区、小林和之代表取締役社長)が昨年7月に設立され、このほど事業をスタートした。そこで、同社の小林社長、出資企業である双日エアロスペース株式会社(東京都)の竹内幹男代表取締役社長、株式会社日本政策投資銀行(東京都)新潟支店の佐藤紳文支店長が31日、新潟市を訪問し中原八一市長に事業開始を報告した。
新潟エアロスペースは、敦井産業株式会社(新潟市)、双日エアロスペース株式会社、株式会社日本政策投資銀行の3社の共同出資で昨年設立された。資本金は6000万円。新潟市では、同市南区に航空機関連企業が入居する工場を建設し、2016年に稼働している。入居企業は、アルミ合金部品の切削を行う柿崎機械(上越市)、部品の表面処理を行う新潟メタリコン(新潟市東区)など。また、柿崎機械や新潟メタリコンも参加する航空機関連企業グループ「NACA」もあるが、これまで各社個別に営業活動を展開していた。ただ、発注元である航空機メーカーは、工程ごとに個別企業に発注する個別発注(のこぎり発注)から、一貫生産を担えるグループへの発注に切り替えている。
こうした背景から、一括生産体制をウリに、受注活動や受注交渉を行う新会社が設立された。新会社では、切削、加工、発送などを一括受注できることを売りに発注側と発注交渉をしていく方針だ。
一方、新潟県の航空機産業の動きとしては、村上市や胎内市などで、航空機内装品における世界のトップメーカー・ジャムコグループの新潟ジャムコ(村上市)を中心に航空機関連企業が立地しており、相当規模の雇用を生み出している。また2017年に大手航空機メーカーと県内企業をつなぐ事業を展開するTJ(妙高市)が設立されている。