【高まる期待と注目】新潟県アウトドア協会が設立記者会見を開催、「奇跡に近い」スノーピーク山井代表 三条市との包括連携協定も締結

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初掲載:2024年7月7日

新潟県アウトドア協会の設立記者会見の様子

2023年に設立された一般社団法人新潟県アウトドア協会が7月5日、三条市立大学(新潟県三条市)において、同協会の設立についての記者会見を開催した。加えて、三条市との包括連携協定を締結するにあたり、締結式を執り行った。

新潟県アウトドア協会は、新潟県内のアウトドアメーカーである5社が発起人となり、2023年11月1日に設立。新潟県のアウトドア環境の活性化を行うとともに、メーカーとフィールド、ガイド、専門店、学びの各アウトドア分野と行政が手を取り合う「新潟モデル」の実現を目指す。現在、会員や関連・協力団体、メディアパートナーを含む全45社(団体)が参画しており、今後さらに増えていく見通しだ。

記者会見では、新潟が日本最大規模のアウトドア産業の集積地であることが説明された。説明によると、国内キャンプ用品市場は約948億円に対して、新潟県内のアウトドアメーカー5社の事業規模合算値は約450億円強と、全国トップクラスのシェアを持つという。アウトドアメーカーおよび関連産業がこれまでに培ってきた経験と実績を協会での活動に活かしていく狙いがある。

同協会の設立において、もっとも大きな特徴の一つが、ライバル同士である地場のアウトドアメーカーが中心となって設立された点である。さらに行政とも連携して県域で主導するのは全国でも他に例がないという。新潟県アウトドア協会がハブとなり、観光振興、防災産業、地域振興の3つの分野への取り組みを進めていく。

新潟県アウトドア協会設立記者会見では、発起人のメーカー5社の代表や新潟県の代表などが登壇した

新潟県アウトドア協会の紫竹陽介代表理事

新潟県アウトドア協会の顧問であり株式会社スノーピーク(新潟県三条市)代表取締役社長の山井太氏

新潟県アウトドア協会の紫竹陽介代表理事は、協会の設立について、「市場ではライバルであるメーカーが集まって新潟県をどう良くしていこうかと話を始めた。(これまでは)アウトドアの面としての窓口が無かった。この解決策として提示するものが新潟県アウトドア協会の活動。行政と共にお互いがやりたい事や解決したいことを明確にして協同することで課題解決にあたっていきたい」と意気込みを述べた。

一方、同協会の顧問であり株式会社スノーピーク(新潟県三条市)代表取締役社長の山井太氏は、「この5社が集まって設立されることは奇跡に近いと思う。業界の友人たちは『よくまとまったね』と驚嘆の言葉を多く貰っている。いろいろな要因があって立ち上げることになったが、パール金属さんがアウトドア専門店『WEST』を作っていただいたことが、まとまった縦糸になったと思う。あと、野遊びを通じた交流が横糸となり、2つの要因が重なって今回の設立となった。理事長や理事は社員が務めており、我々代表はうるさいことは言わずバックアップしていきたいと思う」と語った。

新潟県三条市の滝沢亮市長

協定書にサインをする新潟県三条市の滝沢亮市長(左)と、新潟県アウトドア協会の紫竹陽介代表理事

記者会見に続いて三条市との包括連携協定の締結式が執り行われ、三条市の滝沢亮市長と紫竹代表理事が協定書を取り交わした。

協定は、「アウトドアが息づくまち アウトドアが楽しめるまち アウトドアが育つまち」をモットーに、三条市の観光および産業の振興や教育、文化およびスポーツの振興、防災対策など幅広い分野での連携を通じ、地域の活性化を図ることを目的に締結。今年度は各分野の担当部局で計画立案や事業者間でのネットワークづくりなどを進め、来年度にかけて具体的な活動を進めていく見通しだ。

包括連携協定について、滝沢市長は、「三条市は昨年7月に『アウトドアのまち』を宣言させていただいた。アウトドア協会との連携により、アウトドア・キャンプの振興のみならず、教育や防災など、さまざまな面で一緒になってパートナーとしてさらにアウトドアを発展させ、当たり前の空気のようなものにしたいと考えている」と話した。

アウトドア産業の集積地で立ち上がった業界の垣根を超えた新潟県アウトドア協会が、今後どのように様々な障壁を乗り越え、共創による革命を起こすことができるのか。地元のみならず、全国からの注目や期待が高まる。

包括連携協定の協定書を取り交わした新潟県三条市の滝沢亮市長(左)と、新潟県アウトドア協会の紫竹陽介代表理事

記念撮影の様子

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