コジマタケヒロのアルビ日記2024 Vol.13「早くチームのチカラになりたい」太田修介
梅雨の晴れ間、2024年7月16日の聖籠はとにかく蒸し暑かった。ただ立っているだけなのにじと〜と汗が出てきて、なんにもしていないのに体力が奪われていくような感じすらする。そんな環境の中でも選手たちは懸命に練習に臨んでいた。この日、フルでの練習合流となったのが、太田修介選手。
「あの試合でも正直、痛かったんですよね。プレーしながら『たぶんもう次はないな』って思っていて。そうしたら案の定、次の日にはプレーできなくなっていて……」
ゴールを決めた5月11日の浦和戦(H/●2-4)以降、左ハムストリングス付着部損傷のため、試合に絡めなくなった太田選手はリハビリ期を振り返り、話してくれた。
「どの試合の、どのプレーというのではなくて、3月の序盤の試合から痛み始めて、それがずっと続く状態。たまに痛くない日もありましたが、痛みが引くことはなく、コンディションもどんどん下がっていきました。そのうちに練習していて痛くない日がない状態になって……。だから、あの試合(5月の浦和戦)でも正直、痛かったんですよね。プレーしながら『たぶんもう次はないな』って思っていて。そうしたら案の定、次の日にはプレーできなくなっていて……。筋肉じゃなくて、腱というか、本当にキワキワの箇所で、だからこそ長くかかると診断されて……」。
そこで検査するも原因は分からず、リハビリを開始するも痛みは増加。治療法を見直し、そこから徐々に復調。この日、やっと全体合流にいたった。
「この2カ月間、本当に悔しいを通り越して虚しいというか、もどかしさを感じる時間でした。言いすぎかもしれませんが、生きている感じがしない、そんな生活でした。離脱者の多い中でも、みんな(チームの選手たち)がすごく苦しい戦いを毎回していて、結果が出る試合、出ない試合関係なく、懸命に戦う姿を見ていて『自分は何やっているんだろう……』とずっと感じながらリハビリをしていました。リハビリの原動力になったのは『早くチームのチカラになりたい』という気持ちでしたね」
実は、太田選手の痛みの症状がどこの何が原因かは、はっきりとしていないという。何に注意すればいいのか。何を改善すれば、痛みはなくなるのか、はっきりとしたことは未だに分かっていない。
「原因が分からなくて先が見えないのが一番苦しくて、何がダメでこうなっているのかが分からないし、痛みは増す一方で改善する傾向はない。100%に戻るのか、自分の武器であるスプリントができるようになるのか、本当に不安な日々が続きました。現時点でトップコンディションとはほど遠い状態です。しかしそうだとしても、できることはあると思うし、とにかく試合に出て、貢献したいという気持ちは強く持っているので、そのときの100%で試合に臨みたいです。7月に入って勝てない試合が続き、サポーターの方を含め、アルビファミリーが悔しい思いをしている姿を見て、奮い立たない選手はいない。現に、僕は奮い立っています。心の部分に体のコンディションが追いついていなけれど、離脱してしまったことに責任を感じているので、どんな形でもいいから自分のプレーで勝利に結び付けられるようになりたい」
新潟の梅雨はまもなく明ける。
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