コジマタケヒロのアルビ日記2024 Vol.14「継続と変化の積み重ね」島田譲

アルビレックス新潟の島田譲選手

「いぶし銀」という言葉で形容しようとしたが、その意味を考えると適切ではないような気がした。

いぶし銀→華やかさはないものの、独特の魅力が実力があることを示す言葉。

だって彼には華がある。一瞬で局面を変えるパスはもちろん、とびきりの飛び道具だってある。

そこで類義語を調べてみた。
渋い。
味のある。
いい味が出ている。
ダンディな。
Etc.

どの言葉も彼にハマる気がする。

「先に失点してしまい、ゲームは難しくなってしまった。足りないことをいえば、いくらでもあるけれど、全体を通して自分たちがぜんぜんダメだったかと言うとそんなことはないと思うし、得点するチャンスも相手チームよりも作っていた。みんなでこれまでやってきたことを壊すことなく、やっぱり細かいところを詰めながら次に向かっていくしかないと思っています」。

2024年7月16日の練習後、こんな言葉を皮切りに話をしてくれたのが、島田譲選手。先述の言葉で形容しようとした対象だ。

「7月だけではないけれど、防げたかもしれない失点が早い時間帯であることでゲームを難しくしてしまっているという感はやはりあります。6月は連戦が続いて、けが人も多くて、普段出ていない選手がゲームに出たり、さらには普段やっていないポジションで出場したり、といろいろなことが重なり、ギラギラ感というか、キレイじゃないけれど、とにかく前に進んでいこうという雰囲気は、チームとしてあったかもしれません。ただ、それが全部いいかというと6月はたまたま結果が出ていただけと見ることもできる。チームとして大事なのは、目の前の試合に一生懸命に臨むことで、チームとして一体感をもって前に進んでいくこと。ゴールを取るためにゴール前のアクションなど、質を少しでも高められるように努力することだと思います」。

宮本英治選手や星雄次選手がけがにより離脱し、フル回転で試合に出場。コンビを組む相手にもより多少変わることはあるものの、守備面で多くのタスクを求められている島田選手。

「効いてるな」と試合中にうなってしまう、プレーでチームの危機を何度も防いでいる。

「去年はけがからコンディションを上げていくことの難しさを感じたシーズン序盤でした。そこから見たら今のほうがずっとコンディションがいいんです。体自体は動けているし、連戦が続いてもコンディションもまったく問題ありません」。

こう話す島田選手に、負けの続く今のチームに対して必要なものは?と聞いてみた。

「チームとしては、今までやり続けてきたことを大事すること、やり方を変える必要はないと思っています。その前提はあった中で、成長していくためには変化しないといけないとも思っています。選手個人個人が一個でもやれることを増やすとか、ミスを減らすとか、一人ひとりの小さな変化や成長が、チームとしての大きな変化になると思う。継続と変化の積み重ねがチームの成長につながると僕は思うので、今はその変化のところを強く、一人ひとりが強調して練習や試合に望む時期なのかなと、個人的には考えています」。

この話を聞いて、彼を形容する言葉が頭に浮かんだ。

「伝播者」。

広い範囲に伝える人。波動を広げていく人。

パスとともに想いも伝えている選手には、こんな言葉がハマるように思えた。

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