【ノーベル生理学・医学賞の受賞候補者】新潟県妙高市出身の長谷川成人氏(63歳)が母校の新潟県立高田北城高校同窓会で記念講演を実施
2022年度からノーベル生理学・医学賞の受賞候補者である、新潟県妙高市出身で公益財団法人東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野長の長谷川成人(まさと)氏(63歳)が7月20日、新潟県上越市のデュオ・セレッソを会場にした母校の新潟県立高田北城高校同窓会で記念講演を行なった。
長谷川氏は、新潟県妙高市の市立新井中学校を卒業後、新潟県立高田北城高校へ進学。その後、東京農工大学へ入学したものの、やりたい学問と違ったことや、東京の生活に慣れずに1年生の途中で退学。自宅へ戻り浪人して、翌年富山大学に入り直した。
その後、筑波大学の大学院修士課程へ進み、修了して大手化学系の民間企業へ就職。だが、利益を追求するのではなく、社会に貢献できる研究がしたいとサラリーマンを辞め、東京都老人総合研究所へ入り、アルツハイマーなどの研究を行った。
その後、「真理を追求したい」と理化学研究所に出向し、博士号を取得して、東京大学の助手になった。その後、イギリスに留学し、帰国後は東京大学薬学部の講師となった。現在は、東京都医学総合研究所脳・神経科学研究分野長である。
長谷川氏は、講演で認知症の患者の脳でおこる病変についてや、病変が形成される共通のメカニズム、異常タンパク質の構造解析について話し、最後に最先端の診断と治療について ビデオを流して説明した。
長谷川氏は、アルツハイマー病研究の第一人者、元東大名誉教授の故井原康夫氏の「アルツハイマー病は一種の蓄積病であるから、そのアプローチは蓄積しているものの分析から始めればよい」という文章を読み、これが現在の研究のきっかけとなったと話した。
長谷川氏は最後に「この研究を進めて、今まで治らなかった病気が治るようになることを願っています」と語った。
(文・撮影 梅川康輝)