【ついに新潟上陸】映画「瞼の転校生」がシネ・ウインド(新潟市中央区)で上映開始、「劇団美松」などの出演者らが舞台挨拶
大衆演劇一座に生まれて転校を繰り返す中学生を描いた映画「瞼の転校生」の上映が8月3日からシネ・ウインド(新潟市中央区)でスタートした。公開初日の上映後には、主人公の裕貴役を演じた松藤史恩さんのほか、映画に出演した劇団美松の松川小祐司座長、市川華丸さんが舞台挨拶をした。
「瞼の転校生」は、⼤衆演劇の世界で⽣き、公演に合わせて1か⽉ごとに転校を繰り返す中学⽣が、限られた時間の中で出会う⼈々と⼼を通わせながら、少しずつ成⻑してゆく姿を描いたヒューマンドラマ。監督はSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2020短編部門にてグランプリを受賞した藤田直哉氏が務めた話題作だ。
同映画は2024年3月から全国の映画館で順次公開されており、新潟県内ではこの度のシネ・ウインドでの上映が初。ほぼ満席になるほど、多くの客が訪れた。
舞台挨拶で登場した「劇団美松」は、大衆演劇公演を行っている古町演芸場で8月の1か月間公演を行っている。これは日本文化大衆演劇協会、古町演芸場、シネ・ウインドが協力し、タイミングを合わせて実現したという。
舞台挨拶に登場した3人は映画「瞼の転校生」の撮影秘話や、大衆演劇に関するエピソードを披露した。
幼いころから歌舞伎を習っていたという松藤さんは、映画で演じた大衆演劇について、「歌舞伎とは違った良さがある。お客さんとの距離が近かったり、舞踊中に演者さんにフラワーレイを掛けたりなど、歌舞伎じゃありえないことで驚いた。大衆演劇に出会って良かった」
市川華丸さんは、「普段とはちがう化粧をしていない演技に苦労をした。監督から『芝居がくさい』と言われたが、優しく指導をしてくれた」と笑顔をみせた。
劇団美松の松川座長は、「この映画の中で描かれていることは9割方本当です。我々は役者の家系に生まれた人間だが、公演ごとに各地を転々とするため、小学校・中学校は基本的に1か月で転校する。この映画ではそういった細かいディティールが描かれている」と伝えた。
続けて松川座長は、「今の時代はスマホなどで手軽にエンタメが摂取できる時代。しかし、映画館の座席に座って映画を観る、大衆演劇の劇場に座って演劇をみる、その空間でしか得られないものが必ず存在すると思っている。これを発端に映画、大衆演劇を楽しんで欲しい」と語った。
映画「瞼の転校生」のシネ・ウインドでの上映は、8月9日まで。(8月6日は上映無し)また、古町演芸場での「劇団美松」の公演は、「昼の部」と「夜の部」の1日2回公演を8月29日まで行っている(休館日は8月20日と24日)。
詳しいスケジュールは、シネ・ウインドや古町演芸場のホームページで確認できる。
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