【採用のツボ】人材を見極め惹きつけるための極意 ①「良い人」を定義する —— オーエンス代表 並木哲彦

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初掲載:2024年5月13日

良い人が採れないんです・・・

「並木さん。良い人が採れなくて困ってるんです・・・」というご相談をお受けすることが多々あります。

世の中は人材難。データを見てみると2024年3月の有効求人倍率は1.28 倍。つまり、100人の求職者に128件の求人件数です。

2024年大卒の有効求人倍率は1.71倍。コロナ禍前の水準に戻り、中小企業の新卒の求人倍率は6.19倍。。採り合いというより奪い合いです。

このような環境下で「良い人」を採るにはどうすれば良いのでしょうか?全5回でお伝えしていきます。

 

1.困っていること

「良い人が採れない」

ある経営者との会話です。

私:良い人が採れないとのことですが、御社にとって良い人とはどんな人ですか?

経営者:‥‥

私:例えば、東大卒であれば良い人ですか?

経営者:(瞬発的に)いやあ、そんな人は要らないかな。。明らかにオーバースペックでしょう。

私:では、どんな人が良い人なんでしょう?

経営者:確かに良い人を決めてなかったね・・。

「良い人が採れない」と嘆きながら、「良い人」を定義出来ていないのです。「良い人が採れない」要因はほぼ100%このケースです。

次に「良い人が採れない」理由を伺ってみると、

経営者:地方の中小企業だからかな。知名度がないから?業種が特殊だから?給料が低いから・・・

私:本当にそうでしょうか。ちなみに今、御社で活躍している人はなぜ御社に来てくれたのでしょうか。

経営者:なんでだろう‥。どこかうちの良いところを見つけてくれたんだろうか、当社は特殊なので興味を持ってくれたみたい。

深掘りしてみると要因を見つけられそうです。

 

2.困っている原因

採用、経営者、悩み

「良い人」を定義出来ていない理由は、

・目先の業務に集中せざるを得ない
・良い人の洗い出し方がわからない
・そういうことをできる人がいない

だいたいこのような回答です。

次に、「良い人が採れない」理由については「○○ナビ使ってるんだけど…」「採り方が解らない」「そもそも応募がない」とのこと。

本気で採用を考えてこのコラムをお読み下さっている方々は「これじゃ採れないわ」と思われたはずです。

そうなのです。「良い人の定義がない」ことも「良い人が採れない」理由も、しっかりと振り返りをしていないからです。

ご自身のメイン業務ではPDCAを高速で回して課題抽出と解決を繰り返し、目標達成されているのに・・・。

 

3.困りごとの解消法 ——「良い人」を定義する

ではどのようにすれば「良い人が採れる」のか。

まず、「良い人」の定義をしましょう。

私の友人で在阪プロ野球チームの通訳者との会話です。

 

通訳者:僕、外国人選手が空港到着から球団事務所に行く間にその選手が日本で活躍できるか解るんです!

私:どういうこと?

通訳者:結果的に活躍出来ない選手は右ハンドル左側通行をみて「Oh!Crazy!」と否定します。活躍した選手たちは「Wonderful!(面白いね!)」と受け容れ、楽しんでました。どんなスラッガーでも郷に入りて郷に従えない選手は1シーズンでの退団もありました。

 

このチームは積極的にFA選手を獲得したり新陳代謝の活発なチームでしたので「良い人」は「柔軟性のある選手」でした。

自社のビジネスにマッチした人材の要件を活躍人材の共通点から見つけ出したり、経営理念や人事理念から見出す。

ちなみに人事コンサルティングや採用代行を行なっている当社の経営理念は「頑張る社長の応援団として徹底的にクライアントをサポートする」です。「良い人」の要件は、「徹底的にFor You!で考動する」「頭で汗をかく」「任されたことを最後までやりきる」です。

お客様が考えつかないことを考える、お客様がやりきれないことをやりきることを自社の社員に求めています。

重要なことはその「良い人」の定義がされた理由を明らかにすることです。

「良い人」を定義できたら「良い人を採る」ために行うことです。

これは次回にお伝えいたします。

次回コラム:人材を見極め惹きつけるための極意 ②「良い人を採る」

並木 哲彦(なみき てつひこ)株式会社オーエンス代表取締役。大学卒業後、銀行で法人向け新規開拓営業をする中で企業の人事や人材に関する課題の多さに注目し、2003年に人材コンサルティング会社を起業。起業後5年間は金融・不動産業界に特化した人材紹介業を行い、リーマンショックを機に第2創業として人事・採用コンサルティングに看板を掛け替える。

現在は常時、10社の社外人事部長としてクライアントの人事的課題解決をサポート。人材採用から社内ルールの策定、人事制度の導入、そして中間管理職のスキルアップ支援まで、社長が望むがなかなか実現できない課題を解決しクライアントの事業計画達成をサポートしている。学習院大学 応援団卒。現在、学習院大学応援団OBOG会長を務める。会社名は「企業とヒトの成長を応援するオーエンス」という企業マインドから命名。

【関連サイト】
株式会社オーエンス

シリーズ【採用のツボ】人材を見極め惹きつけるための極意(全5回) ——オーエンス代表 並木哲彦
①「良い人」を定義する
②「良い人を採る」
③「良い人を採るための伝える力」
④「良い人を採るための見究め力」
⑤「良い人を採るための惹きつけ力」

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