新潟市消防局が自作燻製器による火災実験を実施、正しい使用方法や危険性を市民へ周知
新潟市消防局(新潟市中央区)は15日、自作燻製器からの火災が市内で連続して発生していることを受け、自作燻製器による火災実験を行った。
コロナ禍による“お家時間”の増加や、ソロキャンプ、BBQなどの人気の高まりで、自宅などで自家製燻製を楽しむ人が増えている。そのような状況の中、今年度、市内において自作燻製器による火災が2件確認されているため、実例に基づき実験を行い市民に正しい使用方法や危険性の周知を図る。
実験は市内で実際に発生した火災事例を元に2種類行われ、いずれの事例も風が強い日に発生していることから、ドライヤーで人為的に風を起こすことで火災時の状況を再現した。
実験1では、点火したスモークウッドを裏返した皿の上に置き、風の入る隙間がある自作燻製器に入れた状態で、ドライヤーで風を吹き込む実験を行った。これにより、使用した自作燻製器は風が入り込む隙間があるため、入り込んだ風によって点火した状態のスモークウッドが動き、皿から落ちたスモークウッドが自作燻製器に着火した。
この結果から、自作燻製器を使用する場合は風が入り込む隙間ができないように丁寧に作ることや、熱で皿が割れ着火する危険性もあるため、皿を使用する際は耐熱性のものを使用することを注意点とした。
実験2では、通常フライパンなどで炙って使用するスモークチップを、点火したスモークウッドにかけた状態で自作燻製器に入れ、実験1と同様にドライヤーで風を吹き込む実験を行った。この実験でも風の入る隙間がある自作燻製器を使用したため、風が中に入り込むことでスモークチップが火の粉となって飛び散り、自作燻製器内に火の粉が溜まり着火した。
この結果から、実験1と同様に自作燻製器を隙間なく丁寧に作ることや、スモークチップを誤った方法で使用しないことを注意点とした。
実験後、新潟市消防局・消防司令の杉本博一氏は「燃えやすいものを近くに置かないこと、風の強い日は自作燻製器の使用を控えること、自作燻製器を使用する際は目を離さず必ず近くで見ていること、これらを踏まえ正しい方法で燻製器を使用していただきたい」とコメントした。