【9月15日開催】がん患者を支援するチャリティーイベント「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2024にいがた」が10年の節目、アンバサダーの伊勢みずほ氏が語る開催への想い

「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2023にいがた」開催の様子、提供:リレー・フォー・ライフ・ジャパンにいがた実行委員会

掲載日:2024年8月13日(最終更新日:2024年9月9日)

がんと闘う患者やその家族、支援者が集い、夜を越えて歩く「リレーウォーク」を通じて支援の輪を広げる「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2024にいがた」が、9月15日から16日にかけて新潟県スポーツ公園カナール広場周辺(新潟市中央区)で開催される。

「リレー・フォー・ライフ」は、アメリカで始まったがん患者支援のためのチャリティーイベントで、2023年度は世界34か国2,460か所で開かれている。国内では毎年開催地が増えており、2024年は約50か所で開催予定。新潟での開催は2015年から毎年開催しており、今年で10年目の節目を迎える。

イベントはチームの仲間とタスキをつないで夜通し歩く「リレーウォーク」のほか、がん患者や経験者やその家族らのトークセッション、がんで先に旅立った方を偲ぶセレモニー「エンプティテーブル」、メッセージを書いた灯籠で追悼する「ルミナリエ」などが行われる。

「テンプティテーブル」、提供:リレー・フォー・ライフ・ジャパンにいがた実行委員会

 

「頼れる場所があると思い知った」アンバサダーの伊勢みずほ氏インタビュー

「リレー・フォー・ライフ・ジャパンにいがた」アンバサダーでフリーアナウンサーの伊勢みずほ氏

「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2024にいがた」について、アンバサダーを務めるフリーアナウンサーの伊勢みずほ氏に話を聞いた。

伊勢氏は2015年2月に乳がん発症を公表。その後治療を開始してがんと闘いながらも仕事を続け、現在は多くの番組出演や動物保護活動など精力的に活動している。

——「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2024にいがた」に関わっている背景を教えてください

伊勢氏 私ががんを発症した同じタイミングで、「リレー・フォー・ライフ・ジャパン」を新潟で開催しようと動いていた林三枝さん(認定NPO法人ハートリンクワーキングプロジェクト副理事長)に声をかけられたのが始まりです。

林さんががんになった私を勇気づけようと実行委員長に推してくださり、2015年の第1回から関わらせていただきました。

——このイベントの意義をどのように感じていますか

伊勢氏 イベントの最初にがんの経験者だけが会場を一周歩く「サバイバーズラップ」というセレモニーがあるのですが、沿道にいる人たちが今日まで頑張ってきたがん経験者たちを祝福してくれるんです。

これに私が参加したとき、これまで頑張ってきたことをみんなに称えてもらえることが嬉しく感じたこと、そして自分と同じように闘っている人たちがたくさんいて、悩みや気持ちを共有できてとても心が軽くなったんです。

会場にはがん患者さんを応援するご家族や医療従事者の方などがたくさんいらっしゃって、「一人じゃないんだ」「頼れる場所がこれだけたくさん身近にあるんだ」という事を思い知ったんです。

参加する前は、がん患者さん同士で集まって何かをするということにどんな意味があるんだろうと思っていたのですが、この経験から開催する意義を感じて毎年関わってきました。

——今年で10年の節目を迎えますが、開催への想いをお聞かせください

 伊勢氏 私個人の事を考えれば、徐々に元気になってきて、みなさんのおかげで10年間この会場で歩き続けてこられた事は、とてもありがたい気持ちで感謝しています。このイベントを通して知り合った人がいっぱいいるので、参加して良かったと思っています。

一方で、このイベントで出会った人の中で、たくさんの方が亡くなっています。それはとても残念なことですが、みんなのことを思い出す10年でもあるなと思っています。

みんなが生きてきた事、つながり続けてきたという事を、私たちの心の中でつないで歩いていきたいと思いますし、これからも歩いていきます。

——これまでの開催で印象的なエピソードをお聞かせください

伊勢氏 数年前のイベントに初めて来た70代のおとうさんがいらっしゃいました。最初はがんになったことに落ち込んで、誰にも会いたくないと家にずっと籠っていたのですが、ご家族の方が無理やりリレー・フォー・ライフの会場に引っ張り出してくださったんです。

そしたらそのおとうさんはとても感動してくださって、心が軽くなったのかそこから毎年会場に来て下さるようになりました。

しかし、おとうさんは数年のうちに車いす生活になり、最終的には亡くなられてしまったのですが、おとうさんはイベントの度に作る手形フラッグに「感謝が愛になる」という言葉を毎年書いてくださっていたんです。

私はその言葉がすごく好きな言葉になりました。同じ思いを持っている人と出会うということが、最初は辛い感覚だったとしても幸せに変わる。そういう場所になっているということをおとうさんの言葉から感じたんです。

今は私がおとうさんの意志を継いで、「感謝が愛になる」を毎年手形フラッグに書いています。

——毎年どれくらいの人が参加されていますか?

伊勢氏 2日間で1,000人くらいだと思います。約24時間、夜通しやっているので、訪れる時間帯もさまざまです。「来年またここで会おう」と、再会を励みに治療を頑張っている方々もたくさんいます。

毎年、小児がんを患った子どもたちもたくさん来てくれているんですよ。

——イベントにはどのような人に参加して欲しいですか?

伊勢氏 希望としては誰にでも関わってもらいたいです。がんは珍しい病気ではなく、いつ誰がなってもおかしくないもの。みんなで支え合える場所があることを知っているのと知らないのとで、がんの当事者になったり周りの人が罹ったりしたとき、生き方が変わってくると思います。

がん患者の多くはうつ病を併発すると言われていますが、そうならないためにもみんなで明るく笑って支え合える社会をつくっていくイベントなので、いろいろな方が関わって欲しいです。誰でもウェルカムです!

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「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2024にいがた」の開催にあたり、同イベントの実行委員会は、がんと闘う人々を励まし、地域社会の支援を得るための寄付を募っている。

集まった寄付金は、がんの新しい治療法や新薬開発に向けた研究助成、がん検診の受診啓発活動、若手医師育成や助成金などの費用に役立てられる。

寄付は個人寄付1口5,000円(複数口可)、企業寄付1口30,000円(複数口可)で呼び掛けており、ホームページ内(https://relayforlife.jp/donation-request)、もしくは下記の銀行振込にて行うことができる。

・振込先 第四北越銀行 本店営業部(支店コード200)普通預金2670222

・口座名 リレー・フォー・ライフ・ジャパンにいがた実行委員長石塚紀明

「リレー・フォー・ライフ・ジャパン2024にいがた」10周年を記念して制作されたロゴデザイン、©Minako Eiki

 

(インタビュー・文 中林憲司)

 

【関連サイト】
リレー・フォー・ライフ・ジャパン2024 にいがた

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