デンカ株式会社が新型コロナとインフルエンザを1つのデバイスで同時診断可能なキットの国内製造販売承認取得
デンカ株式会社(東京都中央区)は16日、新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスを1つのデバイスで同時に診断可能な「抗原迅速診断キット(コンボキット)」の国内製造販売承認を厚生労働省から取得した。
コンボキットは同社従来の診断キットに比べて、新型コロナウイルス抗原の有無判定を15分から10分に短縮可能であり、またイムノクロマト法を採用しているため特別な検査機器を必要とせず、一般の医療期間でも迅速かつ簡便に検査を実施することができる。
なお、デンカが2020年8月に発売した新型コロナウイルス抗原迅速診断キット「クイックナビTM -COVID19Ag」について、2021年3月4日に国内の医学専門誌に掲載された論文では、PCR法による検出と比較して感度(病気に罹患した人の内、検査で陽性になった人の割合)は86.7%。特異度(病気に罹患していない人の内、検査で陰性になった人の割合)は100%と示され、一般に「偽陽性」と呼ばれる例は確認されなかったなど、実際の使用において十分な性能が示されたと同社は結論付けている。
コンボキットは今後、製品名「クイックナビTM -Flu+COVID19 Ag」として、デンカと同社販売提携先の大塚製薬株式会社(東京都千代田区)の2社から販売を予定しており、正式に発売日が決まり次第デンカwebサイトを通じて医療関係者へ告知するという。また、コンボキットは既に1日最大13万検査分の生産体制を構築しており、本件は2021年度の連結業績予想に織り込み済である。
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