ツインバード(新潟県燕市)開発部門の社員がケーズデンキで展示製品を実演、コミュニケーションから生まれる“顧客起点の製品開発”強化へ
調理家電などの電機メーカー株式会社ツインバード(新潟県燕市)が、ケーズデンキ 女池インター本店(新潟市中央区)において、新たに「TWINBIRDコーナー」を開設し、同社社員が直接店頭に立ち製品説明や実演を行う取り組みを8月24日から開始した。
この取り組みは、製品の企画デザインや開発に携わっている社員が、顧客との対話を通じてリアルな声を収集し、今後の製品開発に反映させることを目的としている。
ツインバードはこれまで、SNSやアンケート調査などを通じて顧客の声を収集してきたが、今回の取り組みでは、対面で得られる顧客の生の声を特に重視している。実際に製品を手に取った顧客との会話から得られる意見や要望は、顧客起点の付加価値創造において欠かせないものだとツインバードは考えている。
顧客が感じる不便さや改善点を、コミュニケーションを通してヒントを得て、それを次なる製品開発に生かすことが狙いである。
店頭に立つ社員は、企画デザイン部と開発技術部の社員。製品の企画段階から世に出るまでの過程を詳しく知る社員が直接顧客に製品を紹介することで、その製品に込められたストーリーや機能の細部まで伝えることができる。来店客は普段の買い物では得られない情報に触れることができ、顧客にとっても嬉しい取り組みだ。
これまでも短期的な展示会は行っていたが、「TWINBIRDコーナー」を設置している点と、長期間にわたる実施となる点が異なる。社員による製品説明・実演は、毎週土日の10時から18時で、年内いっぱいの実施を予定している。
来店客とのコミュニケーションによって得た情報は、社内に持ち帰り部門を越えた共有を行う。顧客視点での製品開発をさらに強化することで、ツインバードはものづくり企業としての価値を一層高める狙いがある。
企画デザイン部の鮎沢紗希氏は、「ツインバードが新潟の企業であることを知らない人も多い。この機会に、燕市にあるものづくり企業としての存在を知っていただきたい」と語る。
また、顧客視点をさらに強化する方針のもと、顧客との対話から生まれる意見を製品に反映させることが、ものづくり企業としての重要なステップであると強調する。具体的には、「ダイヤルの操作感」「追加して欲しい機能」「製品のカラー」など、顧客の日常生活に寄り添った意見を取り入れ、顧客の生活を豊かにする製品を目指していく考えだ。
鮎沢氏は、「例えば、ダイヤルの動きや欲しいモード、カラーに関するお客様の声を聞くことで、製品をより生活に馴染むものに進化させることができる」と話し、意気込みを見せた。
24日から体験できる製品は、「全自動コーヒーメーカー」と「匠ブランジェトースター」の2種類。顧客は操作や試食を通じて製品の魅力を実感できる。また、展示内容や体験できる製品は今後変更される可能性があり、その都度新たな体験が提供される予定である。
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今回の取り組みは、ツインバードが地元新潟から全国へ向けて、顧客の声を形にし、新たな価値を生み出す姿勢を示している。顧客との対話を通じて、さらに進化するツインバードの挑戦が、新潟のものづくりや地域経済にどのような影響を与えるか。引き続き注視していきたい。
(文・撮影 中林憲司)