【市町村長リレーコラム】第17回 新潟県佐渡市 渡辺竜五市長「島民・県民の悲願『佐渡島の金山』世界文化遺産登録実現」
新潟県内30市町村の首長に、地域での取り組みや課題や首長としての想いなどをコラムとして寄稿いただき、次に寄稿いただく首長を指名いただきつないでいく市町村長リレーコラム。第17回は、新潟県新潟市の中原八一市長からバトンをつないでいただいた、新潟県佐渡市の渡辺竜五市長のコラムをお届けします。
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四半世紀に渡る悲願の成就
令和6年7月27日、インドのニューデリーで開催された世界遺産委員会において、「佐渡島の金山」の世界文化遺産登録が決定されました。
この日はちょうど、佐渡金山の地元である佐渡市相川地区で恩賜金記念式典(明治29年に当時皇室の財産であった佐渡金山が民間に払い下げられるにあたり、皇室から下賜されたことを記念して毎年開催されるもの)と、鉱山祭りの開催日でもあり、島民が世界遺産登録をお祝いするムードがより一層高まるという歴史のめぐり合わせを感じる一日となりました。
世界文化遺産登録に取り組み始めてからおよそ四半世紀以上の年月が経過し、一時は登録はもうダメではないか、本当に実現できるのかという不安感や否定的なムードもありました。
しかし、国、県や民間など多くの皆様からご支援をいただき、粘り強く取り組みを継続してきた結果、ついに長年の島民・県民の悲願を叶えることができました。
あらためまして、これまでの温かいご支援に心より感謝を申し上げます。
未来への継承
現在、世界文化遺産は国内で21カ所しかありません。「佐渡島の金山」の登録を叶えた今、この遺産を誇りを持って未来に残していかなければいけないという、大きな責務が課せられたと認識しています。
この責務を果たすためにも世界文化遺産としての価値を多くの人に知ってもらい、遺産を守りながら、世界遺産の持つ本物の価値を活用して交流人口の拡大や移住定住にも繋げていきたいと考えています。
佐渡の金山の勉強をしてみると「ねこばば」の語源が金山に関係があったとか、多くの面白い話を知ることがあります。佐渡に伝わる鬼太鼓や能なども金山の影響を色濃く受けていたり、日本最後のトキの生息地でもあった佐渡の豊かな森林が現在まで守られていることには、実は江戸幕府の考え方に由来しているなど、様々なストーリーを含めて世界遺産の価値を知ってもらうことは本当に興味深いもので、地域への誇りにもつながると考えています。
新潟県全体を元気に!
まずは、子どもたちや佐渡に住んでいる人はもちろん、県民の皆様、国内外の皆様に世界の宝として認められた価値を知ってもらって、佐渡を訪れていただき、本物の価値を体感いただけるよう取り組んでいきます。
そのうえで、観光連携協定を締結している新潟市や田上町、小木直江津航路で結ばれている上越市、今後、錦鯉を寄贈いただく予定の小千谷市やワーケーションで連携している妙高市など、県内の自治体と連携しながら年間を通して新潟県を訪れてもらえる仕組みづくりや二拠点居住の推進等、新潟県全体が住んでよし、訪れてよしとなる元気な地域づくりに向けて全力で取り組んでまいります。
今後も皆様のご支援とご協力をお願いいたします。
【市町村長プロフィール】
渡辺 竜五(わたなべ りゅうご)。1965年3月25日生まれ(59歳)。新潟県佐渡市出身。新潟県立相川高等学校(現在の新潟県立佐渡高等学校)を卒業後、 1983年に佐渡市役所に入庁。農林水産課長、総合政策課長、教育委員会社会教育課長などを歴任。2020年に佐渡市長に初当選し、現在2期目を務める。趣味はロードバイクで、2024年は5月に開催した「佐渡ロングライド」に出場したほか、9月1日に開催された「佐渡国際トライアスロン」のリレータイプ「バイク」に出場した。
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