【瑞々しい秋の味覚】新潟県産イチジク「越の雫」の出荷が最盛期、生産者と生産量も年々増加中
新潟市や燕市で栽培されているブランドイチジク「越の雫」の出荷が最盛期を迎えている。生産者は年々増えており、2024年の計画数量は約220トンで前年比10%増。JA新潟かがやきいちじく部会部会長の鈴木哲也さんによると、今年は天候に恵まれたことから出来は良好。特にこの時期は「身が大きく、瑞々しい」(鈴木さん)という。
「越の雫」は10年ほど前に名前を一般公募で決定し、ブランド化。新潟市西区、南区、西蒲区、燕市で生産され、新潟市西蒲区の選果場で検査に合格したものだけが「越の雫」として認められる。品種は「桝井ドーフィン」で、瑞々しさとあっさりとした爽やかな甘みが特徴だ。
現在、109人の生産者がおり、2024年の計画数量は約220トン。昨2023年の出荷量は約200トンで、その約7割が県内、残り3割が関東と東北へ出荷された。新潟県は他の主なイチジクの産地より北にあるため、比較的遅い時期まで出荷できる点も強みの一つだ。
鈴木さんによると、今年は「8月からほどよく雨が降っており、生育は去年より1週間程度早い。集荷場もお盆前から動いている」。また、春先の天候が良く霜の被害も少なかった。そのため今年の出来は良好で「一番オススメの食べ方はやはり生で食べてもらうことだが、お菓子や肉料理、また昔ながらのワイン煮や甘露煮、ジャムにしても美味しく食べていただけると思う」と話した。
今後、イチジクの出荷は11月中旬頃まで行われるが、「特に8月から9月はじめの物は実が大きく、しっとりとして瑞々しい」(鈴木さん)という。
なお、JAでは2020年から新規栽培者を増やすために「いちじく塾」を開催。栽培方法などについての講座を年7回から10回ほど実施している。また、イチジク団地の整備も進めている。これに伴い、毎年4、5人ほどが新たに「越の雫」の栽培を開始している。さらに来年以降も、イチジクの出荷量が伸びていくことに期待したい。