【なぜ拉致問題は動かないのか】新発田市で映画「めぐみへの誓い」上映会と、特定失踪者家族を迎えてのトークライブ

新発田市の吉原写真館で9月11日に開かれたトークライブの様子

 

9月11日、新発田市の吉原写真館において、映画「めぐみへの誓い」上映会が開かれ、その後にエフエムしばた公開収録によるトークライブが行われた。主催は映画「めぐみへの誓い」政策委員会、共催はエフエムしばた。

トークライブは、特定失踪者問題調査会代表の拓殖大学教授・荒木和博氏、「めぐみへの誓い」政策委員会プロデューサーで「救う会秋田」の代表でもある松村譲裕氏、新潟市の特定失踪者・大澤孝司さんの兄大澤昭一さん、長岡市の特定失踪者・中村三奈子さんの母中村クニさんが参加し、司会は局アナ時代から拉致問題や特定失踪者問題に取材し続けてきたフリーアナウンサーの冨高由喜さんが務めた。

特定失踪者・大澤孝司さんの兄昭一さん

大澤孝司さんは1974年2月24日、佐渡郡新穂村(当時)で姿を消した。当時新潟県庁農地部の職員だった孝司さんは、食事を済ませた後の帰宅途中で、当時趣味だった猟銃を扱う店に立ち寄り、店を出ようとした時に2~3人連れと交錯し、その後に姿を見ることはなくなった。平成14年、小泉訪朝で北朝鮮が拉致を認め、当時の平山征夫新潟県知事は孝司さんの拉致の可能性を示唆した。特定失踪者調査会でも拉致の可能性が大きいとされているが、政府認定の拉致被害者17名の中には未だに加わっていない。

特定失踪者・中村三奈子さんの母クニさん

中村三奈子さんは1998年4月6日、予備校へ通っていたはずが、その日から姿を消し、その後にパスポートを申請して韓国へ渡ったことが判明した。海外旅行の経験が全くなく、前日まで海外旅行に行くような素振りは見せなかったため、何者かにそそのかされての渡航だった可能性も濃い。その後、韓国からの出国記録はないが、未だに消息は掴めていない。2003年に特定失踪者問題調査会による第4次発表で「拉致の可能性を完全には排除できない失踪者」として発表されたが、やはり政府の拉致被害者認定には含まれない。

特定失踪者問題調査会代表の荒木和博氏

荒木氏は「(拉致問題、特定失踪者問題)には日本という国がはらむ多くの矛盾が凝縮されている」と苦々しく語る。2024年現在、政府認定拉致被害者の数は17名+2名(ストックホルム合意の際に30名のリストに入っていたことが確認された2名)。これに対し、特定失踪者問題調査会が出した拉致の可能性がある失踪者リストには約470名、警察が持つ「拉致の可能性がある失踪者」のリストには約900名が記載されているのだという。

映画「めぐみへの誓い」プロデューサーで救う会秋田の代表、松村譲裕氏

トークライブの模様は9月12日のエフエムしばた「とみたかゆきのシバタイムズ」(12時30分~)で公開される。

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