鉱山道「西五十里道・鶴子道」が国史跡「佐渡金銀山遺跡」(新潟県佐渡市)へ追加指定
新潟県と佐渡市は18日、同日に開催された国の文化審議会において、佐渡市内に所在する「西五十里道・鶴子道」が国史跡「佐渡金銀山遺跡」へ追加指定されることを発表した。追加指定は、文部科学大臣への答申後に行われる官報告示をもって正式決定となる。
「佐渡金銀山遺跡」は、近世から近現代にかけて国の財政を支えた国内最大の金銀山として、佐渡奉行所跡や大規模な露天掘りの跡である道遊の割戸、御料局佐渡支庁跡など7ヶ所の遺跡が1994年5月24日に指定され、その後、吹上海岸石切場跡や旧佐渡鉱山の施設群、鶴子銀山跡など多くの関連遺跡が追加指定されてきた。
今回の追加指定は、真野湾に面した沢根から鶴子銀山を経て、相川金銀山に至る鉱山道である「西五十里道・鶴子道」について追加指定を図るものである。特に「鶴子道」は戦国時代末期の主要な鉱山道と考えられており、1628年に「相川往還」が整備されると主要幹線はそちらへ移ったものの、以後も地域間を往来する主要な鉱山道として利用され続けた。こうした鉱山開発の歴史を物語る重要性が追加指定の主な理由となる。
今回の追加指定に際して佐渡市の渡辺竜五市長は「今回の答申により、国の文化財である史跡の指定範囲が拡大されることは、世界遺産登録を目指す佐渡金銀山のさらなる価値付けという点においても、非常に意義あるものと受け止めている」とコメントを発表した。
また同遺跡は、その重要性から新潟県と佐渡市が進める「佐渡金銀山遺跡」の世界文化遺産登録に係る構成資産として位置付けており、この遺跡の追加指定をはかり、国内法での万全の保護措置をとることになるという。