新潟大学旭町学術資料展示館(新潟市中央区)がリニューアルを記念し企画展「日本酒学展」を開催中
新潟大学旭町学術資料展示館(新潟市中央区)は19日から8月22日まで、同館リュニューアルオープン記念企画展として「日本酒学展」を開催している。入場は無料。
現在展示館となっている建物は、1929年に新潟師範学校(現・新潟大学教育学部の前身)の記念館として建設。昭和初期に日本で流行した「ネオ・ゴシック様式」の建造物であり、また鉄筋コンクリート造の建物としては市内最古級である。その歴史を伝える姿から、2005年11月に国の有形文化財へ認定された。
展示館としての開設は2001年で、20周年を目前に控えた昨年から改修工事を実施。老朽化を補修するだけでなく、設計図や写真を元に、窓枠を建設時の造形に近づけるなどの再現も行った。
館内には、新潟大学の母体となる旧制学校時代の実験器具や、大学が長年培ってきた研究の成果などが展示。改修に伴い、インバウンドの需要なども考慮した複数言語による解説も設置した。
また今回のリニューアルを記念し、企画展「日本酒学展」を開催中。日本酒学とは、新潟大学と新潟県、新潟県酒造組合の3社が連携協定に基づき設置した「日本酒学センター」を拠点に、日本酒に関わる歴史、製造法、さらには医学的アプローチなど、新潟大学の幅広い学部を網羅する横断的な学問だ。
同企画展でも、県酒造組合と「日本酒学センター」の協力の元、蔵元関連の資料や日本酒に関わる研究の紹介などを展示。日本酒という1つテーマを多彩な視点から考えることができる。
丹治嘉彦館長は今後、「資料の保存をしっかりと行い、将来への文化を遺すと同時に、いかに市民へ足を運んでもらうかを考えることが課題だ」と話す。「大学は市民からすると、なかなか気軽には敷地に入りづらい。しかしこの展示館は、例えば隣接する大学病院へ来たついでに寄ってみるなど、気軽に立ち寄れる場所にしていきたい」。
研究機関が単なる「象牙の塔」ではなく、蓄えた知識を広く一般へ解放するための場所としての役割が同館には与えられている。今回のリニューアルで、より多くの人がユニークな大学の取り組みへ触れられるようになることへ期待したい。
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