【変わるタクシー業界】子育て世代にも働きやすい仕事、新潟第一交通(新潟市西区)女性ドライバーインタビュー

新潟第一交通のドライバー、此村よしのさん(写真左)と八幡杏奈さん(写真右)

あらゆる業界で人手不足が課題となっている現代。そのなかで今、変化し始めているのがタクシー業界だ。ドライバーも利用者も中高年男性が多いというイメージがあるが、時間の自由度が高い勤務形態は子どものいる女性にとって働きやすく、一方で免許を返戻した高齢者やアプリを利用する若者の利用が増え、顧客面でも「地域の足」としての側面が強まっている。

今回は、女性の採用に力を入れる新潟第一交通株式会社(新潟市西区)の渡邉麻希子営業主任、ドライバーの八幡杏奈さん此村よしのさんに、現場の様子や子どもがいる女性が働くメリット、就職前後でのタクシードライバーへのイメージの違いなどについて話を聞いた。

 

目次

○イメージと異なる住宅街でのタクシー利用者
○時間の自由度が大きい仕事
○男所帯の業界から「社員全員が過ごしやすい職場」へ

 

イメージと異なる住宅街でのタクシー利用者

新潟第一交通株式会社 本社

──まず、入社のきっかけを教えてください。
八幡杏奈さん(以下、八幡):元々タクシーに乗りたいと思っていたわけではなく、以前に配達関連など自動車を運転する仕事をしていたので、近い業種の仕事を探しているなかで、この会社を知りました。

此村よしのさん(以下、此村):私は前職はまったくの異業種だったのですが、その職場を辞めようと考えていた時に、以前から知り合いだった八幡にこの仕事を勧められて入社しました。

 

──仕事の流れを教えてください。
八幡:私は基本的に小針の営業所(同社は、本社、小針、亀田の3カ所の営業所がある)に待機しています。配車室にお客様から電話が来て、そこから自分たち(各タクシー)に配車の指示が来る形です。

此村:私は亀田駅に待機していて、同じように配車を待ちつつ、駅からのお客様も乗せることもあります。ドライバーによっては、商業施設や病院などに待機している人もいますね。

八幡さんも此村さんも、入社してからタクシードライバーの仕事へのイメージは変わったという

──私の印象なのですが、タクシーの利用者は男性、特に中高年の方が多いイメージがあります。実際にはいかがなのでしょうか?
八幡:小針の場合は、お客様の8割ぐらいは女性で、高齢の方が多いです。「免許を返戻したけど、近くまで買い物に行きたい」「病院へ行きたい」というお客様です。特に最近はバスの本数が減って1、2時間に一本しか来ないという地区もあるので、バスではなかなか決まった時間に目的地まで行くことができず、タクシーを利用されているようです。

渡邉麻希子営業主任(以下、渡邉):場所によりますが、中心市街地だと男性客が多いです。一方で、小針のような住宅街や亀田のような高齢者の多い地区では、「買い物や病院へ行きたいけど移動の足がない」という高齢者のお客様が多いです。タクシードライバーは男性のイメージが強いためか、女性ドライバーが迎えに行くと「女性同士で安心する」というお客様もいらっしゃいます。

八幡:私はよく「第一さんは女性ドライバーが多いから」とお客様から指名をいただくことがありますね。

 

──新潟第一交通は女性ドライバーが多いのですか?
渡邉:(女性ドライバー数は)現在、各営業所3人から5人ほどで、比率で言えば圧倒的に男性ドライバーのほうが多いです。ただ、それでも弊社の女性率は業界として多い方ですね。

 

時間の自由度が大きい仕事

──これまでの仕事よりも、やりやすいと感じる点はありますか?
八幡:待機している時は基本的に一人なので、人間関係で悩むことがほぼないことですね。オフィスという同じ空間の中で女性が複数人集まると、グループで仲が良い悪い、という関係性ができてしまうので。そういうことを気にしなくていいのは、とても気楽です。

此村:私は休みやすい点がやりやすいです。子どもが急に体調を崩した時など、以前の職場ではそれを申し出る際に嫌な顔をされて休みづらかったので。この会社では、そういったことがなくてみんな心配してくれます。

八幡:私もそうですね。2日目、3日目と何日も休みの電話をするのがつらかったし、その後出社するのが気が重かったです。

渡邉:タクシードライバーはかなり時間の融通をしやすい仕事だと思います。私がドライバーとして働いていた時も、仕事中に急に子どもを迎えに行かなくてはいけない時があって、もちろん会社へ連絡はしますが、タクシーに乗ったまま学校へ迎えに行って、病院や親戚へ預けにいってから仕事へ戻るということもありました。

子育てをしながら働く2人は、現在の仕事について「辞めたいと思うことはない」と断言する

──入社してから、タクシードライバーの仕事の印象は変わりましたか? また、入社前に感じていた不安などがあれば教えてください。
八幡:夜、飲み会後のサラリーマンがメインというイメージがあったので、酔っ払った人を乗せるのが嫌だな、と思っていました。

此村:あと、道をわかっていなきゃいけない、というイメージとか。でも実際に仕事をしてみると、ほとんどのお客様は詳しく道を教えてくれるし、意外とできるな、という感じでした。

八幡:私が仕事を紹介した時、此村は「私には絶対できない」なんて言っていたんですよ。

此村:でも、やってみたら意外と楽しかった。あと入社前は、「普通二種免許を取らなきゃいけない、それが難しそう」と思っていた点もありましたからね。

渡邉:(二種免許取得は)当然普通免許よりも難易度は上がりますが、今まで自動車を運転していた人にとっては、ある意味復習のようなものかもしれません。

八幡:確かに、お客様を乗せる時の停め方とか、二種ならではのものはありましたが、それは全体の2割ぐらいで、残りは普通の免許の復習みたいな内容でしたね。

 

男所帯の業界から「社員全員が過ごしやすい職場」へ

タクシーに乗る此村さん

──会社として、女性社員に関する今後の方針などはありますか?
渡邉:女性ドライバーはこれから増やしていきたいと考えていて、ハローワークと協力して女性を対象とした採用イベントなども開いています。また会社として、女性専用の営業所もつくりたいという構想もあります。

やはり今は高齢化社会で、加えて障がい者のお客様も多くなっています。そうした時、女性ドライバーがお客様に喜ばれます。業界として、女性ドライバーは増えていくと思います。

 

──会社の環境整備などの面ではいかがでしょうか?
渡邉:これまで男性社員しかほぼ居ない状態だったので、女性用の控室などはありませんでした。しかし、今年の年末に亀田営業所の新社屋が完成予定で、そこには女性専用の控室をつくります。いずれ本社でも、そういった社員全員が過ごしやすい環境をつくっていこうと計画しています。

 

──最後に、タクシードライバーの仕事を考えている方へ一言お願いします。
八幡:タクシードライバーは子どもがいても働きやすい仕事だと思います。よく「子どもがいて短い時間しか働けない」と言われますが、短時間勤務だけでも大丈夫です。

此村:運転好きな人、話好きな人は向いていると思いますし、子育て中のママさんもぜひ、タクシードライバーをオススメしたいです。私も子どもがいる友人から転職について相談された際、タクシードライバーを勧めています。


一般社団法人新潟県ハイヤー・タクシー協会ではこの秋、県内6会場にて「新潟県横断セミナーキャラバン 『タクシードライバーになりませんか?』」を開催する。今回の記事のように子育て中の女性はもちろん、定年退職した人や新卒の若者まで、タクシー業界に興味がある人を幅広く対象にしたセミナーだ。参加費は無料となっている。

会場は開催順に、【村上会場】10月19日14時~、タウンホテル村上。【上越会場】11月2日14時~、ホテルハイマート3階 宝来。【長岡会場】11月9日14時~、ホテルニューオータニ長岡3階 うめ。【小出会場】魚沼市11月16日16時~、UOSHIN 2階 雅。【新潟会場】11月17日14時~、ホテルグローバルビュー新潟3階 明石。【三条会場】11月30日14時~、ピアザデッレグラツィエ。

申し込みは、新潟県ハイヤー・タクシー協会への電話(025-241-8677)、または同協会webサイト(https://haitaku-niigata.or.jp)から。また、web個別相談会も行っている。詳しくは、下のチラシやwebサイトを参照。

新潟県横断セミナーチラシ

この記事は、新潟県ハイヤー・タクシー協会提供による広告記事です。

 

【関連リンク】
新潟第一交通株式会社 webサイト

新潟県ハイヤー・タクシー協会 webサイト

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