【明日27日決着】自民党総裁選、県内選出国会議員の動向は?それぞれの思惑、深謀遠慮
次期首相を決める自民党総裁選挙は明日9月27日に投開票となる。
これまでの総裁選では「どの候補を支持したか」を明確にしない議員も多かったが、今回は先の「裏金問題」を受けて党内の多くの派閥が解体され縛りが解けたこともあり、総裁選における自分の立場を明らかにするケースが増えた。特に今回は9人の候補が乱立し、それぞれの陣営で推薦人確保が行われたため、きせずして立場が明確になる議員が多くなるのは必然。またマスコミの注目度も増す中で、地元に存在感を示す良い機会にもなっている印象だ。
そうした中で、新潟県選出国会議員の現段階での動向はどうなっているか。
小泉進次郎候補の推薦人代表となっているのは旧新潟2区選出で、次期総選挙は新4区から立候補予定の鷲尾英一郎衆院議員(旧二階派)。9月11日には進次郎氏を地元長岡市での農業視察に招き、関係性を大いにアピール。
鷲尾氏自身、旧民主党からの鞍替え組ながら当選6回は十分に「入閣適齢期」なだけに、仮に小泉内閣誕生となれば処遇への期待が高まるところ。
高市早苗候補の推薦人に名前を連ねているのは比例北信越ブロック選出で次期総選挙では新5区に出馬予定の高鳥修一衆院議員(旧安倍派)。高市氏との関係性は濃く、前回の総裁選でも高市氏の推薦人に名を連ねている。こちらも当選5回、副大臣経験者でもあり、仮に高市内閣が誕生となれば入閣が有力視される。
石破茂候補の推薦人に名前を連ねているのは比例北信越ブロック選出の泉田裕彦衆院議員。旧二階派に属していたが2023年2月に退会している。
河野太郎候補の推薦人に名前を連ねているのは比例北信越ブロック選出で、次期総選挙では新潟1区からの立候補を予定している塚田一郎衆院議員。塚田氏が属する麻生派は唯一現存しており、巷間高市氏の支持に回ったと言われてれているが、塚田氏は同じ派閥から出る河野氏を推した格好となっている。
同じく麻生派に属する旧3区選出の斎藤洋明衆院議員は、小林鷹之候補の推薦人に名を連ねている。小林氏の支持に回ったのは他にも比例北信越ブロック選出の細田健一衆院議員(旧安倍派)がいる。細田氏は小林氏とハーバード大ケネディスクールの同門であり、20年来の付き合いがあるという。
前回総選挙で旧新潟4区に出馬し、選挙区では敗れたが北信越ブロックで比例復活した国定勇人衆院議員(旧二階派)は、今回の総裁選で支持する候補を明かしていない。三条市の後援会事務所に問い合わせたが26日現在で「明らかにしていない」とのこと。
参議院では小林一大議員(旧岸田派)が、林芳正候補の推薦人に名を連ねている。
ある自民党関係者は「派閥が解散したといっても、旧派閥の意向で動いている議員は相当数いる。決選投票になった場合の身の振り方も含め、どれだけ影響力を残せるかが分かれ目となるため、直前でどういう動きをするか予断を許さない」と話す。未だ旧派閥の呪縛は有形無形に存在しているようだ。
自民党新潟県連では27日の8時30分から党員票の取りまとめ作業が行われる。