大成ネット(東京都)が新潟市中央区に開発拠点を開設

相馬巨明社長が県庁を訪問し進出報告

相馬巨明社長(写真左)。新潟市の出身ということで、新潟市に対する愛着なども語っていた。

新潟県と新潟市が連携して誘致を進めていた、ソフトウェア開発の大成ネット株式会社 (東京都港区)が、新潟市中央区にシステム開発拠点「新潟開発センター」を開設することとなり、同社の相馬巨明社長(新潟市中央区出身)が15日、新潟県の橋本一浩産業労働観光部長を訪れて進出報告を行った。

大成ネットは、IoT や RFID技術を活用したソフトウェア開発、システム運用、ネットワーク構築などを手がける。資本金1000万円で、従業員数は約90名。売上高は2018年9月期が6億7000万円、2019年9月期が7億6000万円(見込み)という。

新潟開発センターは、新潟市中央区東大通2-1-20ステーションプラザ新潟ビルに開設。同社にとって初の地方事業所となる。東京から開発の人材が移り住むほか、地元新潟でも新規採用し、「赤ちゃんのうつぶせ寝事故防止システム」、「スマホ用の多言語マップ(飲食店メニューなどに利用)」などのシステム開発を担うという。

赤ちゃんのうつぶせ寝事故防止システムは、1歳未満の子供の就寝中の窒息死が5年間で160人に上るなか、開発を進めてきた商品。名刺の半分以下という小型で、安価なセンサーを胸に装着し、赤ちゃんの身体の向き(うつぶせ寝による事故死のリスク)を検知し、親などのタブレットやスマホに知らせるシステムだ。クラウドでデータのやりとりをするため、(近所のスーパーなど)多少距離が離れていても知らせが届くという。実証実験などを経て2019年の販売を予定している。

スマホ用の多言語マップは、インバウンド観光客などが、自分のスマホで飲食店のメニューをかざすと、母国語でメニューが表示されるシステム。「新潟のインバウンド観光の活性化に貢献したい」(相馬社長)と語っていた。また新潟発のシステムとして売り出していく方針という。

さらに今後は、「新潟で、農業や介護分野の製品を開発したい」(同)と語っていた。

一方、先日お伝えした、デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(東京都渋谷区)も含め、ここにきて新潟県に進出するIT関連企業が増えている。背景には、新潟県や新潟市が誘致に積極的に取り組んでいることに加え、首都圏のIT人材のひっ迫化や、人件費の高騰などもあるようだ。

報告の様子

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