【留学生が通訳や逮捕術を体験】新潟県警が留学生を対象としたセミナーを開催、電動スーツケースの摘発事案など学ぶ
新潟県警警務部教養課は10月1日、事業創造大学院大学に通う留学生を対象に「国際教養セミナー」を開催した。
セミナーに参加したのは、事業創造大学院大学に通う10か国約50人の留学生と同学の教職員約5人。
セミナーでは、県警教養課の職員が登壇し、新潟県内における犯罪などの推移を説明するとともに、近年問題視されている外国人による電動スーツケースの摘発事案などについて説明した。
電動スーツケースとは、モーター付きのスーツケースに腰を掛け、アクセルとブレーキを使って移動するというもの。電動スーツケースは原動機付き自転車として扱われるため、車両として扱われる。
そのため、乗車するには運転免許が必要となるが、現状、安全基準を満たしている電動スーツケースは存在しないため、公道を運転すると道路交通法違反などの罪に問われる可能性がある。
そのような中、今年の6月には大阪府で中国籍の女性が無免許で大阪市内の歩道で運転していたとして、道路交通法違反(無免許)の疑いで書類送検される事案も発生している。講義はデータなどの画像を交え、約15分にわたり実施された。参加した留学生たちは、興味深い表情を浮かべて聞き入っていた。
そのほかには、110番の際に通訳を交えて電話することのできる「三者通信」の体験や県警逮捕術の指導者が護身術の実演、留学生が警察の通訳業務を実演・体験するなどの内容が実施された。
実際に「三者通信」での110番通報を体験したベトナムの留学生で、事業創造大学院大学事業創造を学ぶ女性は、「最初、警察官の人はベトナム語が分からなくて困っていたけど、通訳さんが参加した後はスムーズに進みました。ベトナム語は難しいと思いますが、助かりました」と感想を述べた。
また、「ほかのベトナム人は、日本語があまり上手ではない人もこういう風に通訳が参加してくれると助かると思う」と話した。
新潟県については、「日本に来る前は色々なニュースを見ていて、少し不安になっていたが、新潟に住んでみたら全然そんなことがなくて、今のところ安心して生活できている」と語った。
グローバル化が進み、価値観や人種など多様化が進む現代社会。そういった中で、不安な気持ちを抱く留学生などに対して、今回のセミナーのように日本のシステムや咄嗟の対応を共有することで、日本人にとっても留学生などの他国籍の人にとっても住みよい社会が実現されていく。