「戦略とはやるべきことと、やらないことを決めること」 中小企業診断士の和栗聖氏が地域経済研究会(新潟県上越市)で講演

新潟県上越市、妙高市、糸魚川市、十日町市の中小企業事業主の勉強会である地域経済研究会(新潟県上越市) 中小企業の経営者約30人が耳を傾けた

新潟県上越市、妙高市、糸魚川市、十日町市の中小企業事業主の勉強会である地域経済研究会(新潟県上越市)はこのほど、中小企業診断士・社会保険労務士の和栗聖(きよし)氏を講師に、「不透明な時代を生き抜くための自社の強みの再認識」と題した第1回地域経済講演会を上越市民プラザで開催し、中小企業の経営者約30人が耳を傾けた。

このセミナーの目的は、円安傾向が強まり物価やエネルギー価格の高騰に加えて、最低賃金の上昇により人件費の高騰に歯止めがかからない中、多様化する顧客ニーズに対応するため、事業者には事業環境の変化に対応することが求められている。そのため、経営維持や売上向上、利益率の改善のために顧客ニーズを理解し、自社の強みを見つめ、他者との差別化を図ることを認識することが目的。

年間約30本の講演会をしているという中小企業診断士・社会保険労務士の和栗聖(きよし)氏

和栗氏は「アフターコロナの今の時代は、今までのノウハウや成功体験が通用しない時代。戦略とは何か。それは、やるべきことと、やらないことを決めることで、ヒト、モノ、カネ、情報をやるべきことに経営資源を集中することだ。戦略という漢字を見ると、戦(たたかい)を略(はぶく)と読める」と述べた。

また、顧客ニーズと自社の強みの再認識が必要であるとし、「強みとは、顧客が要望していることと、競合他社より優れていることの2つを満たしていることは条件になる。さらに、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の頭文字の3つのCの関係を見る3C分析が必要になる)と述べた。

さらに、「問題と課題の違い」をテーマに話した。和栗氏は、「問題とは、あるべき姿に現在なっていない状態で、本来あってはならないことの問題を解決する状態。一方、課題とは、あるべき姿から将来的にありたい姿に挑戦することで、まずは、問題を解決することが必要である」と語った。

最後に、日本の著名な経営者の言葉を引用し、「商売人と経営者はどう違うのか。経営者とはしっかりとした目標を持ち、計画を立て、その企業を成長させ、収益を上げる人のことだ」と述べた。

 

(文・写真 梅川康輝)

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