【グッドデザイン賞受賞】株式会社高儀(三条市)の工事現場職人向け工具と園芸用電動ツールで
株式会社高儀(三条市)の2商品が2024年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞した。
同賞を受賞したのは工事現場職人向け工具「TAKAGI アルミツールホルダー カラビナ (THAF/THAシリーズ)」と、園芸用 電動道具「EARTH MAN 3.7V充電式噴霧器」。
「TAKAGI アルミツールホルダー カラビナ (THAF/THAシリーズ)」は、工事現場の職人が腰ベルトに装着し、手工具などを収納・携行するためのカラビナ型のツールホルダー。これまでの工具市場の職人用のカラビナ型ツールホルダーは、元々カラビナ利用の由来である登山・クライミングで用いられていた形状を流用したものが多かった。その一方で「全く用途が異なるのに、形状は同じ」という問題は常に付きまとっていた。そこで、職人の作業動作を支える重要な道具として、職人のための”プロツール”を作りたい想いから、工具専用の形状を追い求めゼロベースで設計がはじまった。
大きな特徴は、道具の抜き差しがしやすいようカラビナの上下で大きさにメリハリを付けた独自のR形状。カラビナ上部側のRは小さくし、腰からの出っ張りを小さくすることで手に持った道具を上から差しやすく、下部側のRは逆に大きいRにして上部側とのギャップを作り道具が抜きやすく、また大きな工具もかけられるようにした。
審査評価では「スムースな抜き差しのための形状の工夫やディテールによって、職人の身体の一部となって、作業向上を実現することがうかがえる」「現場ごと、職種ごとに違う職人たちのニーズや好みに応える形で、人材不足や危険を伴うあらゆる現場の課題解決に応える姿勢も高く評価したい」という声があった。
EARTH MAN 3.7V充電式噴霧器は、家庭でのガーデニングの際に、植物の消毒や農薬などの散布作業で用いる噴霧器。これまで農家などのプロユースを想定したモデルやそれを小さくした製品が主流であったが、家庭で使いたいと思えるような見た目・機能性も合わせたデザインが検討された。
大きな特徴は、持ちやすさを追求したスクエア形状。従来の噴霧器では、タンク内の圧力対策のために楕円形や円筒形など丸みの強い形状が多く、噴霧作業の際に持ち上げたタンクを安定して姿勢保持しにくいという点で欠点があった。タンク内の圧力対策を脱気孔を設ける設計で解決し、肩にかけた際に身体との接地面が多くなるように工夫した形状で、携行時に前滑りしにくい持ちやすさと機能性の両立を図ることが出来た。
住環境に馴染むカラーリングやノズルスティックは本体ハンドルに収まるようにし、噴霧作業を中断するとき・仕舞うとき両方ですっきりと邪魔にならず扱うことが出来る点も高く評価された。
審査評価では「水やりにおいて重要な、使い手の動きやすさも考慮されており、総合的に非常にバランスの取れたデザイン」との声があった。