【未来を創る健康経営】アイセック(新潟市中央区)が経済産業省を招いて意見交換会を開催 亀田製菓、第一建設工業、ブルボンなど県内企業12社が参加
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初回掲載:2024年10月21日(再掲載:11月3日)
新潟大学医学部内科発のベンチャー企業、株式会社アイセック(新潟市中央区)は、同社が提供するサービスのユーザー企業を対象に経済産業省のヘルスケア産業課の山崎牧子課長補佐を招き、意見交換会を開催した。
参加企業は株式会社ブルボン、亀田製菓株式会社、第一建設工業株式会社、明治安田生命保険相互会社、株式会社第四北越銀行、株式会社BSNアイネット、福田道路株式会社、太陽誘電株式会社、新潟太陽誘電株式会社、日本精機株式会社、株式会社アグロジャパン、株式会社アイセックの計12社。23名の担当者が席に着いた。
経済産業省の山崎氏は「健康経営における働く女性の健康支援の取組について」と題した講演を行った。まず2024年の健康経営調査票の取りまとめ及び申請対応に追われていただろう参加者に労いの言葉をかけた上で、日本が直面する課題と目指すべき方向性、ヘルスケア政策の目指す姿と施策、経済産業省の役割について説明し、「健康経営における取組」と「女性特有の健康課題による経済損失の試算」を共有した。
健康経営優良法人調査におけるフレームワークでは、現在とくに女性の健康課題への対応に力を入れていることを話し、元々健康経営の政策自体が男性向けに偏っている問題点を指摘。また、若年層からの健康意識の啓発に着目し、男女ともに性や妊娠に関する正しい知識を身に付け、健康管理を行うように促す「プレコンセプションケア」について言及し、まだ聞き馴染みの薄い「プレコンセプションケア」という言葉について分かりやすい例を挙げながらその重要性について説明した。
意見交換会では、最初に「経営層の関与について」というテーマで参加企業への質問が行われた。山崎氏は今年度の調査からこの点について項目を増やしたことに触れ、「経営層が健康経営についての研修を受けていると従業員の健康意識があがるというデータがある。健康経営優良法人の認定をただの手段にせず、取り組みの意義を改めて認識してほしい」と伝えた。
参加企業から経済産業省への「健康経営の枠組み拡大に関する懸念について」という質問テーマでは、求められる内容が増加していて、体力のある企業でも対応が容易でなく、通常業務もあるなかで担当者の負担が大きいという問題について話が進んだ。一方で、「調査票に向き合うことで自社の健康課題の棚卸になる」という意見もあがった。
それぞれの企業が行っている取組みや現状の課題についての共有があり、活発な意見交換が行われた。
全プログラム終了後、亀田製菓株式会社の吉田貴裕主任に話を伺ったところ、「弊社は人的資本経営という枠組みで今までも様々な取り組みを行ってきたが、“健康経営優良法人”の認定のために調査票を申請したのは今年が初めて。健康経営に取り組むべきという意識は社内でもあったものの、手が回っていなかった。実際に動き出すにあたり、まずは自社の健康数値を明確にしなければならず、この1~2年で今まで紙で管理していた社員の健康診断結果をデータ化した」と説明した。
続けて、「本日の意見交換会のような他社の取組みを知れたり、意見交換できたりする場は非常にありがたい。事例はもちろん気持ちも共有できることは貴重だと感じる。自社だけでなく地域の企業全体でより良い会社作りを進めていきたい」と、感想を述べた。
(文・撮影 井高あゆみ)
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