新潟市が「古町地区活性化に向けた政策的視点」を作成
「歴史まちづくり」「商圏の確保」「空き店舗対策」から活性化
新潟市は、江戸時代から新潟市の中心街である「古町地区」の活性化に向けた取り組みを加速するため、「歴史まちづくり」「商圏の確保」「空き店舗対策」を盛り込んだ「古町地区活性化に向けた政策的視点」を作成。新潟商工会議所、新潟古町まちづくり株式会社、新潟市の3者で構成する「古町活性化まちづくり協議会」で説明を行った。新潟市では、この政策的視点を踏まえ、地元商店街など意見交換を行いながら、地域再生法に基づき内閣総理大臣が認定する「地域再生計画」を作成していく。
歴史まちづくりでは、
・白壁通り、東新道、西新道といった街路の石畳化
・古町芸妓と気軽に触れ合える「柳都カフェ」の創設
・飲料品、菓子など「古町芸妓とのコラボ商品」の開発
などをこれまで以上に体系化して推進していく。
商圏の確保では、歴史的な街並みや花街文化の残る「古町地区」や、水辺空間のある「西港・万代島地区」の魅力をさらに磨くとともに、都心軸(東大通ルート)や副軸(弁天ルート・花園ルート)で、これらの地区と新潟駅を結んで回遊性のあるまちづくりを目指す(=下の図)。また、新潟市と近隣市町村で形成する「新潟広域都市圏」の交通ネットワークの充実も目指す。このほか、古町商店街のほど近くにあるが、著しい人口減少が続く「下町地区」の活性化も検討していく。
空き店舗対策では、固定資産税・都市計画税の特例によって敷地の税負担が軽減されている店舗兼住宅のうち放置状態のものについて、市が活用に向けた「要請」「勧告」を行っていく。具体的には、相当期間を設けて活用を要請し、相当期間を経ても必要な措置が講じられない場合は「調査」を行う。その調査の結果、何の措置も講じないことに正当な理由がない場合は勧告を行うという。
古町地区は、新潟駅周辺地区や万代地区との競合や、交通アクセスの面などから地盤沈下が続く。その古町地区の活性化については、新潟市が大和跡地の再開発事業を推進しているほか、新潟古町まちづくり(株)が、エリアマネジメント組織の立ち上げを検討している。また懸案事項の新潟三越の閉店後の跡地のあり方についても、地権者や地元商店街と意見交換していく予定だ。