【にいけい編集部発】記者コラム&今週の主なニュース 10月19日〜10月25日
記者コラム
亡国の総選挙、勝っても負けても大増税へ?
本日10月27日は第50回衆議院議員選挙の投開票が行われる。巷では「政権選択選挙」と言われ、自公連立政権が過半数(233議席)を維持できないのではないかと目されているが、ふたを開けて果たしてどうなるか。自公が大敗し石破内閣退陣という事態になれば、戦後最短命内閣となるかもしれない。過半数を少し下回るくらいなら、日本維新の会や国民民主などを連立に入れて政権の体裁を保つかもしれない。いずれにしても「第三極」がクローズアップされるが、どの党も選挙戦を通じて存在感を示すところまではどうか。
まずこの時期の解散総選挙について意義そのものを問われる話なのだが、石破自民と野田立民に決定的な政策の対立が見られない実情がある。どこの選挙区でも聞こえてくるのは「政治とカネ」「裏金問題のけじめ」ばかり。
各メディアでは連日、党首討論が繰り広げられているが、印象が強いのは自民党・石破茂総裁、立憲民主党・野田佳彦という二人の代表の政策は、とても似通った部分が多い。特に「増税」に関してのスタンス。多くの政治評論家が指摘する通り、二人とも財務省の意向に沿った増税路線の言動が多くなっている。
石破総理は、総裁選の際の討論番組で消費税増税についてのスタンスを問われた際に「現時点では(増税は)考えていない」と否定しながらも「党の税調(税制調査会)で議論したい」と話した。9人の総裁選候補のうち、消費増税に対して含みを持たせたのは石破氏ひとりだけで、他の候補は「現段階ではない」と否定した(腹の中は知らない)。防衛力強化の財源確保に向けた増税時期に関しても選挙戦中の討論番組で「年末にかけて決着させる」意向を示している。
一方で野田代表。かつて民主党が政権を取る前までは「税金を食っている白アリ(天下り)を退治しないうちは、消費増税などできない」と官僚組織に対して毅然とした態度を示した人だったが、民主党政権で財務副大臣、財務大臣と務めるうちに、すっかり懐柔されてしまったのか政権公約になかった消費増税を二度までも実行。今選挙の党首討論でも「安易な減税はやらない」と、財務省幹部が手をたたいて喜びそうな姿勢を崩さない。
仮に自民が大敗して石破内閣退陣となれば、現段階の増税を真っ向から否定する高市早苗氏が後任の最右翼と思いきや、ささやかれはじめたのは岸田前首相の再登板。この人については触れるまでもない。
コロナが明け、株価が史上最高値を付け、平均給与も毛ほどではあるが上昇した。政権党はこれを指して「景気が回復した」と吹いている。一方で、物価の高騰に給与増がついていかず、庶民の暮らしが裕福になった実感は一切ない。景気を測る一つの指標となるGDPギャップ(国の経済全体の総需要と供給力の乖離。マイナスになるほどデフレ基調)は、2024年4-6月も相変わらず0.6%のマイナスであり、これだけ値上げしたのに一向に景況感に乏しい。既に「値下げ」に入っている品目すらある。この中で増税は、悪手なのではないか。
あと数時間で我が国の最新の趨勢が判明するわけだが、こんな未来を考えると少しむなしくなる。
おっとこんな時間だ。さて、投票に行くとしようか。
(編集部I)
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