【キシャメシ】新潟最高峰の喫茶店カレー、市役所目の前のプライム「本格辛口チキンカレー」を久々に
新潟市役所本館の目の前にある喫茶店「カフェ・ド・プライム」は、もう何年前からあるのだろう。現在50代の記者がまだ駆け出しの頃からあったから、少なくとも30年前にはあったと思う。市役所にも新潟地裁にもほど近いため取材に、打合せに、サボりに、何十回かはお世話になった。
いわゆるレトロ喫茶とは違う。ただ昨今のおしゃれカフェともまた違う、独特のソリッドな雰囲気。マンション1階だが、奥行きがあって意外に席数が多い。ただし昼時ど真ん中は市役所職員で埋まる。
ここのカレーが実にうまい。それこそ新潟市民は日本でも有数のカレー好きと言われるが、その土地柄にあっても群を抜いて美味いのである。あくまで記者の好みだが、江南区のマヤ―とプライムの双璧かもしれない。「理想の喫茶店カレー」記者はそんな風に思っている。理由は後ほど話す。
というわけで今日は超久々にプライムの「本格辛口チキンカレー」を。
ここね、何が良いって、愛煙家に優しいんよ。テーブルに普通に灰皿が置いてあって気兼ねなく吸える。一方で禁煙スペースも確保されていて、吸わない人は何ら不快を感じない。こういう店は吸う側にとってマジでありがたい。
昨年生まれて初めて煙草をやめることに成功した記者は禁煙テーブルへ。座るとすぐに水を置いてくれたので「本格辛口チキンカレー」をオーダー。プライム自慢のチキンカレーには「マイルド」と「激辛」もある。ランチメニューは豊富なプライムだが、人気1位はおそらくこのカレーだろう。
ややあって着皿。これこれ、久々だな。ミニサラダと食後の飲み物がついて税込980円
「本格」とあるが、どのジャンルのカレーなのか。日本人の舌にポピュラーな欧風カレーなのか、本場インドの味なのか、和風なのか・・・そのどれでもない気がする。神田神保町や高田馬場、カレー自慢の喫茶店が軒を並べる東京のメッカを、記者は勝手に想起している。この手の味、新潟ではなかなかお目にかかれない。
何とも複雑な構成の味。あらゆるスパイスが折り重なる。じっくり煮込まれたカレーソースには、多くの野菜が溶け込んでいることが想像できる。煮込まれてほろほろになった骨付きのチキン(手羽の一部か)もウマウマ。味わい深い、実に。
「辛口」と謳われるだけに、一瞬は刺激的な辛さが舌の上を刺す。それがほどけて折り重なるスパイスのうまみと香り高さが鼻を抜ける。なんとも心地よし、こだわりが詰まっているのだなあ。
誰かが言った「本当に美味いカレーは数値化できる」と。この複雑な旨味は、かなり難解な数式に違いない。よく毎回毎回再現できるものだと思う。
食べ進めるうちに、秋雨にあたったからだがポッと温かくなるのがわかる。大満足のうちに完食。
実はプライムのカレーの旨味、これで終わりではない。
カレーを食べ終えた口で、食後のコーヒーを飲むと、ここにまたひとつ生まれるマリアージュ。カレーを食べ終えて飲むコーヒーが何とも美味い。インドカレーならラッシーとかチャーイとか、そういうことなのだろうが、喫茶店カレーの王道はコーヒーでシメる。絶妙に合う。
もしこのコーヒーの味までもが数式の範囲だとしたら・・・やばいね、ここのカレー。
(編集部 I)
【カフェ・ド・プライム】
新潟市中央区医学町通2番町10-1ダイアパレス医学町1F
営業時間 (月~金)7:30~20:00 (土)9:00~19:30
定休日 日曜
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【キシャメシ】は、にいがた経済新聞編集部のメンバーが、日々の取材活動の合間にいただく昼ご飯を日替わりで、真正面から他意を入れず、何モノにもとらわれず、お仕着せのグルメリポートに背を向け綴った、キシャの日常モノローグ。さて明日の担当キシャはどこで何を食べるのか、お楽しみに。