新潟市で「にいがた起業家道場 in 新潟 起業の技を盗もう !」が開催
ユナイテッドの早川会長やスノ―ピークの山井社長も登場
新潟ベンチャーキャピタル株式会社は22日、新潟市中央区の事業創造大学院大学で、「にいがた起業家道場 in 新潟」を開催した。2部構成で、第1部ではユナイテッド株式会社代表取締役会長CEO の早川与規氏(加茂市出身)の基調講演「フルモデルチェンジを繰り返す経営」が行われた。早川会長は自身の体験を踏まえて、「ネット事業の賞味期限は3年。一時の成功に執着しない。後手に回らないアクティブな姿勢が大切」と攻めの経営を力説した。
弊紙2月10日号にも取り上げているユナイテッドは、インターネット広告の取引を行う「アドテク領域」、スマホアプリやメディアの開発、オンラインスクールを展開する「コンテンツ領域」、スマホ用ゲームアプリを開発する「ゲーム領域」、そして有望なベンチャー企業へ投資をする「インベストメント領域」の4つの事業を行っている。インベストメント領域では、株式会社メリカリや、プレスリリース配信サービス「@プレス」で有名なソーシャルワイヤー株式会社などに出資している。
早川会長は大学卒業後、博報堂に入社。営業として大手ビールメーカーや自動車メーカーを担当。6年程経験を積んだところで、もっと自分自身の視野を広げたいと考え、1999年私費でアメリカへMBA留学をする。そこで出会ったのがその頃アメリカで大きな市場になりつつあったインターネットビジネス。これは間違いなく世界中に革命が起きると確信し、2年間の予定だった留学を1年で切り上げ帰国し、当時まだ創業間も無く20名程だったサイバーエージェントにインターンとして入社。それまでの経験と実績を買われ、そのまま常務として正式に入社することになる。そして、その翌年2000年には副社長兼COOとなり、同年サイバーエージェントは上場を果たす。その後、初の黒字決算を見届けてから同社を退社し、2004年、ゼロから事業と会社を立ち上げる挑戦をしたいと考え起業した。
昨年は出資していたメルカリが上場を果たし、大きな利益を生み、2019年1月末決算発表(第3四半期)では、連結過去最高の売上高と営業利益を更新し、営業利益は112億円にのぼっている。
第2部では株式会社AGREE代表取締役の伊藤俊一郎氏と、株式会社クーネルワーク代表取締役の谷俊介氏による発表の後、木山光氏と佐藤真希子氏の二人も加わり、パネルディスカッションが行われた。パネルディスカッションでは株式会社スノーピーク代表取締役社長の山井太氏の特別参加もあり、会場は大いに盛り上がった。
この事業は、県の委託を受けて新潟ベンチャーキャピタルが実施しているもので、今年度は今回で10回目の開催となる。当日の参加者は約70人、中学生を含む学生から社会人、企業経営者まで幅広い参加者が時間を超えて質疑を交わした。
一方、新潟県は、低迷する県の開業率を高めるため、新年度に「にいがたスタートアップ推進事業」「創業事業計画ブラッシュアップ支援事業」などを行っていく計画だ。
・にいがたスタートアップ推進事業(2600万円)…起業意識の醸成、創業の後押し、創業後の育成支援、創業希望者の「交流の場」の設置支援(県内5か所)
・創業事業計画ブラッシュアップ支援事業(1240万円)…創業希望者の事業計画の策定・実行を伴走型で支援