増加する児童虐待。県でも相談件数や一時保護件数が増加

児童虐待が大きな社会問題になっており、国会でも新潟県議会でも大きなテーマになっている。

石崎徹衆院議員が呼びかけ人となり自民党の若手有志が26日、千葉県野田市の女児死亡事件など相次ぐ児童虐待を受け、「児童虐待罪」の新設を検討する勉強会を発足させた。有識者などから意見聴取したり、海外の事例を参考にしたりしながら提言をまとめるという。

新潟県議会でも22日の一般質問の中で児童虐待についての質疑が行われた。その質疑のやり取りによると、県内に5か所ある児童相談所が対応した相談件数は平成29年度1482件と、前年度から242件増加。また一時保護件数は377件と前年度から90件増加した。

相談件数などの増加を受けて課題も出てきた。例えば、相談の増加に対応するため、児童福祉士を増員したが、これにともない経験の少ない職員も増えたという。そこで県では、さらなる体制強化に向けて、人員増加とともに、OJTなどによる資質向上にも取り組んでいく方針だ。

また、一時保護の増加に伴う、部屋数の不足も、一般質問の中で課題として挙げられていた。

さらに、乳児の一時保護の受け入れ強化も課題。乳児の一時保護施設は県内に、見附市の聖母乳児院、新潟市立乳児院(愛称:はるかぜ)の2か所のみ。県では、「まずは里親」という方針のもと、県内の児童相談所に「里親等相談支援員」という非常勤の里親支援に特化した職員を配置し、支援の充実を図っている。さらに新年度は里親の研修事業を充実し乳児を受け入れることができる里親を増加させていくという。

一方、新潟県、新潟市、新潟県警本部は今月19日、児童虐待事案についての情報共有に関する取り決めを結んだ。取り決めにより、児童相談所と警察の双方が必要な情報を共有し、適切な役割分担で児童の安全確保を迅速かつ的確に行い、早期発見と虐待の未然防止を図るという。具体的には、「警察から照会があった児童の過去の対応状況」「児童の安全確認が48時間できない児童」「警察が虐待(疑い)を覚知した児童」「一時保護や施設を退所して家庭復帰する被虐待児童」などの情報を共有する。さらに年2回程度、意見交換の場を設け、児童虐待事案にかかる相互の意思疎通と理解を深め、より実効性の高い連携にしていく。

カトリック見附教会などがある敷地に「聖母乳児院」はある

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