新潟県燕市の鈴木力市長が新型コロナで減収の人を対象とした国民健康保険税の減免や、ワクチン接種スケジュールの前倒しを発表
新潟県燕市の鈴木力市長は29日に定例会見を開き、国民健康保険税・介護保険料の減免を市独自に実施することや、新型コロナウイルスの影響を受け帰省ができない同市出身大学生などへの支援の追加などを発表した。
また、県が燕市を含む県央地域にワクチン大規模摂取会場を7月に設置する予定であることから、燕市では9日に発表した市のワクチン摂取スケジュールを前倒しにする予定であることを鈴木市長は明らかにした。具体的な内容については30日の市議会で決定を受けて、同日中に発表する予定であるという。
主な発表項目については以下のとおり。
目次
◎新型コロナで減収した世帯へ対し、国民健康保険税などを減免
◎公式LINEにワクチン接種へのリンクなどの機能が追加
◎帰省できない市外の学生へ向けて「夏の味覚」を
◎「燕市IoT推進ラボ」がDXセミナーを開催
◎大河津分水100周年に向け市内2箇所の史料館で特別展を開催
新型コロナで減収した世帯へ対し、国民健康保険税などを減免
燕市では、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減った市民を対象に、2020年度の国民健康保険税と介護保険料を国の全額負担のもとで減免していたが、2021年度は同市へ対する国の財政支援が4割にまで減額される見込みとなった。
一方で、新型コロナウイルスの感染は長期化していることから、燕市では残りの6割を市が負担し、昨年度と同様の減免措置を行うという。
全額免除となるのは、新型コロナにより主たる生計維持者が死亡、または重篤な傷病を負った市民。収入が10分の3以上減少した人や、前年の所得の合計額が1,000万円以下であった人、収入減少が見込まれる種類の所得以外の前年の所得の合計額が400万円以下の人は、その前年合計所得により減免割合が異なるが、市では合計で1,000万程度を負担すると見込んでいる。
申請の受付は7月15日からで、窓口は市役所2階税務課市民税2係。また、同日発送の納税通知書に減免の通知を同封する予定である。
一方で、国が実施している、国民健康保険の保険者努力支援制度で、燕市は新潟県内1位、全国1,741市町村中30位となったことも発表された。
この国の取り組みは、市町村の健康づくりや医療費最適化などの取り組みに応じて交付金を交付するもので、燕市は特定受診率の向上やジェネリック医薬品の普及啓発が評価され、1,000点満点中794点(全国平均555点、県平均633点)を獲得。前年度比730万3,000円増の4,402万1,000円の交付金を獲得した。
公式LINEにワクチン接種へのリンクなどの機能が追加
燕市は7月1日から、市の公式LINEをリニューアルし、ワクチン接種の予約システムへのリンクや、「ゴミの日アラート」などの機能を追加する。
ワクチン接種予約システムへのアクセスは、基礎疾患のある60歳以上の人の予約受付開始に合わせ、12日から運用を開始。リニューアルにより一新するリッチメニューに新型コロナ関連の情報を集積する形になる。
鈴木市長は今回のリニューアルに際し「現在は約5,250人ほどが公式LINEに登録しているが、人口の10%にあたる8,000人を目指したい」と意気込んだ。
帰省できない市外の学生へ向けて「夏の味覚」を
燕市では2020年から、新型コロナウイルスの影響を受ける県外在住の市出身学生へ対して、応援物資の提供を進めているが、7月にはその一環として燕市産の野菜を使用したおかずや、枝豆など「夏の味覚」を届けることを発表した。
親元を離れ市外に住んでいる燕市出身の学生が対象となり、申し込みは市のwebサイトの申し込みフォームより。発送は7月7日と8日に行う予定であるが、15日まで追加申し込みを受け付けている。なお6月28日時点での申し込み数は、608人。
「燕市IoT推進ラボ」がDXセミナーを開催
燕市では7月28日、ものづくりの現場でのデジタル・トランスフォーメーション(DX)を実現するため、経済産業省や県のDX推進担当者を講師に迎えた、市内事業者向けセミナーを開催する。
この取り組みは、市が2016年から年間1・2回ほど定期的に開催しているIoT推進事業の一環であり、「燕市IoT推進ラボ」が構築を進めている「燕版共用クラウド」の意義についてを参加者と共有することを目的としている。
セミナーは28日14時から。会場は吉田産業会館、多目的大ホール。参加費などは無料であるが、市webサイト申し込みフォームか書類による申し込みが必要となる。申し込み受付期間は6月29日から7月21日。定員は50人程度。
大河津分水100周年に向け市内2箇所の史料館で特別展を開催
燕市内の分水良寛史料館と長善館史料館では20日から、大河津分水が来年で通水100周年を迎えることを記念し、夏の特別展を開催する。
分水良寛史料館では「良寛に学ぼうー良寛と大河津分水前夜」と題し、大河津分水が完成する以前、洪水が頻発していた時代の人々の生活や洪水対策などを、江戸時代後期を生きた良寛の資料をもとに読み解いていく。入館料は大人300円、高校生・学生が200円、小・中学生が100円。
長善館史料館では、江戸時代後期の私塾である同館2代目館主鈴木惕軒の教育と、大河津分水の建設に貢献した門人たちの業績を紹介。入館料は大人100円、高校生以下が50円。分水良寛史料館とともに、月曜日(祝日の場合は翌日)が休館日となる。
【関連記事】
新潟県燕市が弥彦村との連携による小中学校教員へのワクチン優先接種や、11月末までに市民の接種を完了させることを発表(2021年6月9日)
新潟県燕市の鈴木力市長が定例会見、感染対策について「具体的事例を用いて呼びかけをする必要がある」(2021年5月31日)