国交省が新潟県阿賀野市で除雪車の自動化試験
除雪機械の熟練オペレーター不足への対応した取り組み
国土交通省 北陸地方整備局 北陸技術事務所はこのほど自動制御機器を搭載した試験トラックを完成させ、28日、阿賀野市内で自動化走行試験を行った。
試験トラックは、除雪機械の熟練オペレーター不足への対応と、操作の省力化を目的に、ICT技術を活用した除雪装置の自動化に向けて開発した。高速除雪作業に適した除雪機械には、新雪を路外に飛ばす装置、圧雪を剥ぎ取る装置、雪を抱え込む装置が装備されている。このなかの雪を抱え込む装置(サイドシャッタ)では、精度の高い位置情報と地図情報を使った自動化の検討が行われている。国道49号にある国土交通省 安田除雪ステーション構内で行った試験では、交差点に見立てたポール間の通過時に、サイドシャッタが自動で作動する様子が見られた。
今回の自動化走行は、準天頂衛星「みちびき」を活用している。みちびきは、2010年に1号機が、2017年に2~4号機が打ち上げられて、昨年11月に本格的な運用が始まった。米国のGPSと併用して運用しているが、4機あるみちびきのいずれかが日本上空付近にとどまるよう運用しているという。このため、米国のGPSだけが運用されていた時には10mあった誤差(実際の位置と位置情報の誤差)が、専用受信機を使うことで数cmまで縮めることができるようになった。また受信しづらいビル街や山間部でも精度の高い位置情報を取得できるようになったという。今回の試験は、このみちびきの本格運用で可能になった。
一方、みちびきの本格運用により、バスの無人運転、農業トラクターの無人運転のほか、ドローンを使った無人宅配、災害時の安否情報確認などでの活用も期待されている。また政府では、2023年までにGPSに依存せずに運用できる7機体制を目指しているという。