小柳建設株式会社(新潟県三条市)加茂本店のインキュベーション・スペースから地元高校生とカフェのコラボメニューが誕生
小柳建設株式会社(新潟県三条市)加茂本店のインキュベーション・スペースで29日、地元の県立加茂農林高等学校の生徒が考案したスイーツの試食会が開催された。レシピを形にしたのは同じく地元のparadise*cafeで、7月21日に同所で出張出店する際には、今回商品化された3品も販売する。
今年2月に完成した小柳建設の加茂本店新社屋には、キッチン付きインキュベーション・スペースが設置されており、地域連携や「挑戦」を志向する事業者による出店が可能となっている。現在はコワーキング・スペースとしての一般開放は検討中であるが、「会社と地域の中間」として、地域住民や起業を考える人同士の交流と活動を促すことを目的としている。
加茂農林高校では学校で収穫した野菜などを売りに周辺地域を行商する活動を行っており、小柳建設では社屋の建て替えとインキュベーション・スペースの開設を機に、同高の活動へ協力することを企画したという。
当初は、単にインキュベーション・スペースを収穫物の売り場とすることを考えていたが、開設以来同所へ3度出店をしているparadise*cafeと、落書き作家・イラストレーターのnezi氏が企画に参加。高校生の考案したカフェメニューを商品化する本格的な取り組みとなった。
試食会には、レシピが採用された2人を含む加茂農林高校生物工学科3年生の4人が参加。全17案の中から選ばれた3品を、感激した様子で味わっていた。商品化された内の1品「3色ドリンク(仮称)」を考案した伊東友衣さんは「自分が考えたレシピを商品化して、さらに販売までするなんて、自分の力だけではできないこと。協力していただいた方々へは感謝しかない」と嬉しそうに語っていた。
また、蛍の飛ぶ川をイメージしたゼリー「ひかる」を考案した村山航さんは「イメージ図は描いたが、どう実現するかまでは考えていなかった。“無茶振り”だったにも関わらず形にしてもらえてプロはすごいと思った」と話した。
なお、商品化した3品はいずれも蛍をモチーフとしているが、これは同高が敷地内に流れる川で蛍の保護活動をしていることに由来しており、「この機会に蛍に関する活動も知ってもらえたら」(伊東さん)という。
また今回は、加茂農林高校が地元小学生などを招いて開催する蛍の見学会で提供する予定の「蛍のマドレーヌ」をparadise*cafeの小柳千春氏が試食した。小柳氏は今回のレシピの実現化も含め「自分が普段作らないようなものや、以外な食材が指定されているものなど高校生の発想のエッセンスに触れることがまた自分にとっても刺激になった」と話す。
企業、飲食店、学生の3者によるコラボレーションは地域社会の活性のみならず、特に今回は近年農業の分野で注目される6次産業(生産者が生産だけでなく、加工や販売にも関わる産業)にも通じる内容となった。学生たちが今後、今回の経験を元に新規性のある事業に挑戦していくのならば、正に小柳建設が同所に込めた「インキュベーション」の想いが実現されることになるだろう。
今回商品化された3品は、7月21日にインキュベーション・スペースでparadise*cafeが出店する際、nezi氏によるパッケージデザインを伴い一般にも提供される。また、3色ドリンクで使用されるイチゴや卵は加茂農林高校で収穫したものを使用する予定であるという。
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