【官学連携協定】モンゴルの高専と長岡の高専の懸け橋に モンゴル3高専の校長が、市長を表敬訪問(新潟県長岡市)

工業化が進むモンゴルでは、より高度で専門的な知識や技術を身につけた人材の育成と確保が急務の課題となっている。課題解決の一端として、現地では日本留学経験者を中心に実践的な技術者養成を目指す「日本式高専システム」の導入が進められている。2014年9月には、日本式高専システムを取り入れた、国立モンゴル科学技術大学付属高専、モンゴル工業技術大学附属モンゴル高専、新モンゴル高専の3校が開校し、卒業生を輩出している。卒業生のなかには、そのまま日本へ留学し、インターンシップなどを経て日本企業に就職する学生もいる。

市長と歓談する3校長

こうした現地の動きに対応する形で、長岡市では昨2023年3月、市内にある長岡工業高等専門学校と連携し、モンゴル3高専からの学生8人を、市内企業でのインターンシップに初めて参加させた。その結果、1人が市内のIT企業に就職した。

JICAの草の根技術協力事業「モンゴルの産業変革を担う産業DX人材育成プラットフォーム構築」に対する地元企業の期待も高まっている。

2025年3月には、長岡市でのインターンシップ連携も予定されており、それに先駆けて、今年10月23日から27日の間、長岡産業活性化協会NAZE、長岡工業高等専門学校、市内企業2社の代表がモンゴルを訪問。現地の3高専も訪れ、同インターンシッププロジェクトの紹介と長岡市のプロモーションを行った。

10月30日には、モンゴル工業技術大学付属高専 セルゲレン校長、新モンゴル高専 オユンジャルガル校長、国立モンゴル科学技術大学付属高専 ドゥルマー校長同3高専の校長が、アオーレ長岡にいる磯田達伸市長を訪問し、同プロジェクトに向けて、意見交換を行った。

冒頭に、「ようこそ、おいでくださいました」と3校長を出迎えた磯田長岡市長は「モンゴルの若者が長岡で心地よく生活できるよう、コミュニティをつくるなど環境を整えていきたい」とし、「土木工業や(長岡市が力を入れている)AIの分野で、卒業生の皆さんが活躍してくれるのを楽しみにしている」と期待を露わにした。また、弊紙取材に対し、「モンゴルと長岡の高専同士の交流を基に、いずれはモンゴルと長岡間の交流に繋げていきたい」と述べた。

また、モンゴル工業技術大学付属高専のセルゲレン校長は、10月1日に、モンゴルの高専が10周年を迎えたことについて触れ、「(インターン生には)技術の向上を一番に期待している。大企業よりは、様々なことを学べる中小企業で経験を積み、いずれはモンゴルに戻ってきてもらいたい」とし、「今後、モンゴルと長岡の交流をさらに増やしていきたい」と述べた。

両国の高専の一層の交流を期待するセルゲレン校長

(文・写真 湯本 泰隆)

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