新潟県加茂市の「土砂災害指定ゼロ問題」に関して新潟県が「県の考え方」を公表

出水期間までに警戒区域の指定を目指す県

写真はイメージです

新潟県は先月21日、県内の土砂災害警戒区域の指定に関し、「地価が下落」「職権乱用のファッショ独裁的な行為」「一部区域の指定は荒唐無稽」などという加茂市長の反発で、同市だけが指定箇所ゼロになっている問題で、小池清彦加茂市長に意見照会を行った。これに対し、加茂市は4日後の25日、花角英世知事あてに、加茂市側の意見(見解)を記した文書を送った。

それによると、加茂市内の土砂災害警戒区域(141箇所)については、「県の基礎調査の結果がコンサルタントの作業の結果そのもの」と書かれている。

また、「加茂市側の意向を踏まえ、県は指定箇所(141箇所)の全面的な再検討を約束したが、その後、修正されたのはわずか数箇所のみ」「(意見照会の)回答期限である3月6日までに間に合わない回答もある」などと記されている。さらに「寺院や料亭がある場所については、景観の保存などの観点から土砂災害警戒区域の指定を行ってほしくない」旨も書かれている。

この加茂市の意見に対し、県は3月1日、県の考え方を公表した。それによると、「県では平成23年2月から平成29年5月までの間に、全306箇所の調査結果を加茂市に送付している」という。また「(加茂市の意向通り、)141箇所を再点検したうえで4箇所の見直しを行い、平成29年5月17日付で加茂市側に通知している」そうだ。さらに「加茂市は平成29年5月に基礎調査を検討するため3か月の時間が欲しいと公表。翌月には『広報かも』(平成29年6月号)で、年内(の完了)をめどに点検を開始したと表明。そこから1年8カ月以上たっていることを考えると、3月6日の回答期限に対応は可能」としている。

このほか、「土砂災害警戒区域の範囲についての考え方は、災害データを踏まえた全国一律の基準で定められており、コンサルタントはこの基準に基づいて基調調査を実施。また県でも調査結果の内容を照査するとともに、加茂の対象箇所である306箇所を全て現地確認した。このため、基礎調査の結果は(コンサルタントではなく)県の判断である」という。

景観への影響については、「土砂災害防止法では指定から除外する理由には該当しない」とのことだ。

県としては、住民の生命や身体を守ることを最優先に、住民に丁寧な説明を尽くし、出水期間前の指定に向けて取り組んでいくという。

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